世界貿易機関(WTO)がこのほど発表した文書によると、米国は最近WTOに対し、「米国の鉄鋼・アルミ製品に対する232措置(米通商拡大法第232条に基づく輸入制限措置)および中国に対する301条調査(米通商法301条に基づく調査)における課税措置の提言について、WTOの紛争解決制度の下で中国と協議したい」意向を示したという。米国のこうした動きはWTO紛争解決制度の通常のプロセスに則ったものだ。新華社が伝えた。
同文書によると、米国は中国に対する協議の要請には意見を保留する部分もあるが、こうした問題について協議を進めることを願うとしている。鉄鋼・アルミ製品に対する232措置については、「これらに関する関税政策は保障措置(セーフガード)ではなく、米国の安全保障に損害を与える輸入鉄鋼・アルミ製品を対象として採用した措置だ。米国は、WTOの紛争解決メカニズムでは『国の安全保障』に関わる関税問題は解決できないと考えている」との見方を示した。
米国は301条調査に基づいた課税措置の提言については、「この問題について協議を行いたいが、今はこの措置は提言の段階にとどまっていて、実施されてはいない。よって中国が提起した問題には紛争解決メカニズムに組み込んで解決することが必要な基礎は何も存在していないといえる」と述べた。
中国は今月4日と5日に米の301条調査に基づく課税政策の提言、および鉄鋼・アルミ製品に対する232措置に対し、WTO紛争解決メカニズムの下で米国に協議を行うよう要請した。
中国商務部はこれまでたびたび、米国政府が保護貿易主義に反対するとの承諾を厳格に遵守し、自由で開放的で平等な国際貿易環境を共同で維持し、より理性的なやり方で貿易摩擦を適切に処理することを願うとの立場を表明してきた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年4月19日
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