休暇制度の整備と所得の増加に伴い、子どもを連れて週末にドライブしたり、海外旅行に行く1980年代、90年代生まれの両親が増えている。「国際子どもの日」(6月1日)を前に旅行サイト「Lvmama」旅游網が発表した「親子連れ旅行消費報告2018」によると、子どもを連れて旅行をしたい保護者が増えている。中国青年報が伝えた。
報告によると、親子連れ旅行市場の中核は80年代生まれ。最も熱心なのが上海、北京、広州、深セン、杭州などの保護者で、南京、長春、成都、武漢、寧波でも親子連れ旅行が急増している。休暇の分散化によって、親子連れ旅行は近場が60%を超え、海外旅行・国内長距離旅行が続く形となっている。両親が最も考慮するのは気苦労や労力を省くことであり、近場のドライブや長距離団体旅行が中心となっており、近場の観光地やホテルへのドライブを選ぶのは75%、長距離旅行時に団体旅行を選ぶのは67%となっている。
■テーマ商品の供給不足
報告によると、現在国内の親子連れ旅行市場の発展には大きな趨勢が2つある。近場の観光消費の頻度の増加と子どもの低年齢化だ。「Lvmama」の統計では、今年上半期は40%近くの親子家庭が3回以上旅行しており、こうした週末の旅行はすでに日常のものとなっている。親子連れ観光客の高まるニーズを満たすため、親子ホテルと位置付け、ホテルの設備、部屋の装飾、飲食、アクティビティ・スペース、ゲーム、従業員の配備などの面で、親子色を前面に出すホテルが少なくなく、伝統的な観光地や「非親子ホテル」も子ども向けの商品やイベントを次々に打ち出している。
親子連れ旅行には低年齢化傾向もある。両親と一緒に旅行し、世界の素晴らしいものを体験する3歳以下の乳幼児も増えている。「Lvmama」によると、今年3歳以下の旅行は全体の30%を占め、前年比10ポイント近く増加した。「Lvmama」の担当者によると、従来型の団体旅行は大多数が低年齢の乳幼児の昼寝や飲食などのニーズに対応しておらず、低年齢の乳幼児の旅行は島の自由旅行や客船、特に親子連れ向け施設が豊富で遊び相手の心配もない「レジャー」的客船旅行を勧められることが多かった。
■今年の親子連れ旅行市場は500億元規模に
国際子どもの日を前にした、各大手旅行会社の予約状況を見ると、親子連れ旅行が主流となっていることが分かる。高まる人気の一方で、旅行商品の同質化、二児を持つ家庭の悩みなど解決を待たれる問題がまだある。
近年親世代となった80年代、90年代生まれの人々は、親子関係や子どもの教育を一層重視している。特に旅行を通じた総合教育を重視しており、できるだけ多くの機会を利用して子どもを旅に連れ出したいと考えている。
2016年のオンライン親子連れ旅行市場は207億9000万元であり、2018年には500億元近くに達すると見られる。
■業界は基準の統一を呼びかける
親子連れ旅行商品は多種多様だが、同質化の深刻化が常に指摘され、親子要素の不足が大きな難題となっている。
「一部の旅行機関は子どもの遊びに適した通常の商品でさえあれば親子連れ旅行と銘打ち、親子連れを念頭にした商品設計やサービスの革新をせず、価格も多くより高い。観光中心で親子の特色を欠く商品も多い」と北京聯合大学オンライン観光研究センターの楊彦鋒主任は指摘する。
「二人っ子政策」の全面実施後、第2子を持つ家庭の旅行は増えたが、多くの観光地の親子チケットやホテルの「親子部屋」は旧来の「両親と子ども1人」の基準で設計されており、旅行先で困る家庭が多い。また、子ども2人の両方に適した目的地と旅行方法を選択するのも容易なことではない。
「親子連れ旅行市場が急行車線に入ったのは明らかだ。旅行会社は統一基準の制定を共に発起するべきだ。同時に、観光消費の新たな変化に自ら適応し、商品とサービスの基準を高め、激しさを増す市場競争に対応するべきだ」と楊氏は指摘する。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年5月31日
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