中国農業科学院はこのほど、初めてとなる「中国農業産業発展報告」を発表した。報告では、「中国は2035年までに、『食物の絶対的安全と食用穀物自給率100%』の基本的ニーズをほぼ達成し、主要畜産品および水産物の自給率90%以上を維持することになる」と推測している。新華社が報じた。
報告では、「中国で農業サプライサイド構造改革が大々的に推進されるにつれて、食糧産業経済が発展し、食糧生産量・栽培面積・単位面積あたりの生産量も全体的に増加傾向を呈するとみられる。食糧備蓄調整策による影響で、米や小麦など主食作物の栽培面積は今後減少し、生産量はほぼ安定を保つとみられ、2035年時点での米生産量は2億300万トン、小麦生産量は1億2800万トンにそれぞれ達する見込み。また、牧畜業の急成長と農業サプライサイド構造改革政策が継続的に推し進められることから、非主食作物の生産量は2億7700万トン、主食作物の生産量は1683万4300トンに上ると予想される」としている。
さらに報告では、「中国の都市化が急速に進むにつれ、住民所得レベル、特に農村部住民の所得レベルが高まり続けている。これにより、今後、畜産品と水産品の生産量は増加傾向が続くが、住民の豚肉消費は次第に飽和状態に近づき、肉類総生産量に占める豚肉生産量の割合は低下しはじめ、代わって鶏肉と牛肉の割合が上昇する見通し。豚肉の自給率は2035年までに94.78%まで下がる一方で、牛肉の自給率は90.51%に、乳類の自給率は72.52%に、それぞれ上昇する」と予想している。
「中国農業産業発展報告」における評価は、農業政策の変化および中国農業発展を脅かす海外からの影響に対するシミュレーションを行った上で、具体的な17品目の農産物に対する分析・研究を行い、主に2020年時点および2035年時点の農業発展状況を見据えて取りまとめられた。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年7月2日
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