標高4000−5000メートルの高原や氷点下20−30度の低温環境において、いかに便利に用を足すべきだろうか。水が極度に不足した環境において、いかにトイレと周辺環境の衛生を維持すべきだろうか。四川省成都市でこのほど開かれた「トイレ革命・四川行動」展示イベントにおいて、そんな問題を解消するハイテク技術が注目を集めた。科技日報が伝えた。
都市部もしくは農村部で、生物分解技術により糞便を処理することは、もはや目新しくなくなっているが、これらのトイレは高標高地に進出できずにいる。中国科学院成都生物研究所の専門家は、「高原は低温で酸素が薄く、エネルギーの供給が乏しいため、微生物の処理効果に影響を及ぼす。糞便の微生物処理の中心となるのは、高COD(化学的酸素要求量)、高リン系廃水、一部の炭素・窒素・リン化合物で、これによって処理を行う。高原では低温により菌の活力が低下し、糞便が凍結する。標高が1000メートル上がるたびに酸素が10%ほど薄くなり、最も基本的な酸素消費処理も順調に行われない」と指摘した。
しかし展示会場では、四川省色達県の標高4500メートル、氷点下11度の高原における生物分解トイレの成功例を目にした。このトイレは九寨溝や海螺溝などの風景区で導入され、標高や低温に関する難題を解消している。
成都友益佳環保設備工程有限公司の責任者である馮建賓氏は、「我々はまず高原の寒冷地や高山などの環境に適応する微生物菌種を開発した。このトイレは太陽光や風力などのエネルギーを利用し、糞便と微生物を加熱し、無気泡爆発などの技術により酸素利用効率を高めた。またパイプの凍結により洗浄が困難という問題に的を絞り、同トイレは高速鉄道や航空機に使われる真空自吸式吸引システムを搭載している。パイプ内の残存水をゼロにし、毎回の洗浄で異臭を取り除くことができる。このトイレの消費電力は1回あたり0.1キロワット時のみで、その排水は都市部1類水質基準に達する」と説明した。
乾燥した高原において、水は極めて貴重な資源だ。記者は展示会場で別の「循環用水一体型糞便処理」トイレを目にした。水を効果的に節約し、1度の注水で1年間循環利用できる。水使用量は水洗トイレの1000分の1のみだ。スタッフによると、同設備は効率的に生物分解、生物流動化、生物活性炭などの技術を融合させる。新たにデザインされたフィルター生物センサーは、従来の生物化学技術とフィルター分離技術の結合を実現しており、「処理後の水は直接次の洗浄に使用される。糞便は分離後に生物収集・分解箱に入る。毎年1度回収し、肥料として直接使用できる」としている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年7月3日
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