夏は太陽がぎらつく晴天のほか、沿岸部では台風も訪れる。ここでは専門家が天気予報の精度を上げるハイテクを紹介していく。これらの技術は異常気象の発生前に、人々に注意を促し、安全な飛行や航行を保証する。経済日報が伝えた。
天気予報モデルや衛星観測などの技術進歩に伴い、中国の台風進路予想の誤差が近年ますます小さくなってきている。
中国気象局台風・海洋予報センター首席予報士の許映竜氏は、「以前の台風予報は完全に主観的な判断によるものだった。現在は客観的な予報方法を採用し、数値に基づき天気を予報し、国際基準と合致する台風の強度分析フローを形成している。特に複数の予報モデルを集約し訂正する技術ができてから、中国は台風の最新の状況とその位置を把握し、かつ多くの台風進路予報の中から一定量のサンプルを抽出できるようになった。この少数サンプルの分析と評価により平均点を導き出した予報は、単純な集合予報よりも効果的だ」と説明した。
また地上観測所の予報技術も革新され続けており、それはその背後にある衛星データというサポートと切っても切り離せない。特に今年5月1日より静止軌道気象衛星「風雲4号」が正式に事業運行を開始し、国内外のユーザーにデータと製品を提供し始めている。これにより未来の台風の位置・強度特定は、より信頼性が高く詳細な観測資料を手にすることになる。
許氏は、「世界では一国の台風予報水準を評価する際に、主に台風進路予報の誤差を根拠とする。中国の24時間台風進路予報の誤差は2012年に初めて100キロ未満の大台を突破し、現在は60キロ前後に達している。予報水準は大幅に向上している」と指摘した。
台風の他に、夏の異常な豪雨・洪水・高温などは、国民経済・生産・生活に大きな損失をもたらす。統計データによると、中国の自然災害の7割は、気象災害によって生じている。うち気象災害の大半が異常気象によって生じている。1991年以降、豪雨・干ばつなどの異常気象が毎年、中国経済に約3000億元の損失をもたらしている。
国家気候センター首席科学者の李維京氏は、「異常気象の観測と予報には重大な意義がある。幸いにも中国異常気象観測・予報業務システムが2010年に稼働開始した。指標体系の構築を通じ、地域内のすべての異常気象を観測できる。当センターは世界気象機関のアジア異常気象観測・評価センターに選ばれており、その観測能力は世界から認められている」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年6月1日
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