海外人材の帰国には3つの特徴
LinkedInで海外からの人材募集を担当する王歓氏は、「現在、海外には中国でキャリアを積むことを選ぶ経験豊富な人材が増加している。それらの人材の年齢や職務等級も上昇している。つまり、ハイレベル人材にとって中国の魅力は一層高まっているということだ」と分析する。
また、海外人材にとって、「新一線都市」の魅力も高まっている。報告によると、近年、留学帰国者が選ぶ主要都市の順位に変化はないものの、北京と上海が占める割合は明らかに下降しているのに対して、杭州や成都を代表とする「新一線都市」を選ぶ留学帰国者が年々増加している。
LinkedInの中国の留学帰国者関連の報告によると、「新一線都市」の人気が年々高まっている。(画像はLinkedInから)
その他、人材募集を行う主な企業も、以前のIT企業やハイテク企業、金融業界などから、伝統企業へと拡大している。「つまり、中国企業の産業高度化が進んでいるということ。企業にはモデル転換、イノベーション、技術の躍進などの面のニーズがある」と王氏。
海外で求人を行っている業界を見ると、依然として金融、人工知能、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどが多い。
LinkedInが今年、留学帰国者約2000人を対象に実施した調査によると、留学帰国者が「帰国」を選ぶ際に考慮する主な要素は、「中国の業界と経済の動向」と「中国のキャリアアップの面での魅力」だ。中国の経済の動向やキャリアアップの面での魅力、起業の機会などが、帰国してキャリアを積むことを選ぶ海外のハイレベル人材が増加している理由となっている。
LinkedInが海外で開催した合同求人説明会でPRを行う金風科技の代表者(撮影・張潔嫻)。
中国企業の海外で求人には課題も山積み
LinkedInの分析によると、中国企業が必要としている人材は、▽最先端技術を持つベテランの技術者、特に機械学習、自動運転、データ科学者、ソフト開発系の人材▽国際的な視野、イノベーション的思考、豊富な管理経験を有する、管理職を担えるハイレベル人材▽エネルギーや風力エネルギー、鉱業、建築などの分野で特化している科学者や高学歴のプロフェッショナルな人材―――に集中している。
しかし、中国企業が自身の技術的実力と業務を武器に拡大を続け、海外の人材にとって魅力が高まっているものの、合理的な海外人材募集計画を策定するのが難しい、さまざまな業界や地域が人材の争奪戦に加わっている、職場文化や仕事の環境が違うことから、海外人材と雇用者の意思の疎通の仕方に隔たりがあるなどの要素が、海外で求人を行う中国企業に多くの課題をもたらしている。
実際には、一部の中国企業は、海外人材戦略の策定に着手し始めている。王氏によると、そのような戦略は、▽技術を原動力とし、スマート化した人材ビッグデータやソーシャル化した人材、エンプロイヤーブランドを十分に活用する▽短期間の求人結果を基にして、人材募集、人材確保、エンプロイヤーブランドの構築の中・長期求人戦略を調整する―――というはっきりとした特徴がある。
2016年から今に至るまで、LinkedInはテクノロジー・IT、自動車メーカー、金融などの分野の中国企業数十社と提携して、海外で求人を行ったり、合同求人説明会を数十回開催したりしている。その場所は、米シリコンバレー、シアトル、ニューヨークのほか、オーストラリア、カナダ、英国、デンマークなどに及んでいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年7月5日
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