上海社会科学院がこのほど発表した「大都市北京・上海・広州に住む青少年の性健康調査」報告によると、現在、中国の青少年が「性の知識」を得るのは、主に「インターネット」や「友人」を通してだ。また、多くの保護者が子供の性に関する困惑に対応することを望んでいない。青少年の性に対する見方が日に日にオープンになっているのを背景に、正しい性の知識を得る場がない、系統立てた性教育の不足などの問題に注目が集まっている。新華社が報じた。
同報告は、上海社会科学院社会学研究所の課題グループが中国青少年研究センター少年児童研究所、広州穂港澳青少年研究所と共同でまとめた。調査は15-24歳の青少年を対象にしており、5338人から有効回答を得た。うち、中学生が1486人、高校生が1716人、大学生が2136人。
報告によると、現在、青少年が性の知識を得るのは、主に「クラスメート」や「友人」を通してで、全体の割合は合わせて26.1%だった。「学校の授業」を通してという回答は9.5%、「両親を通して」は14.9%だった。また、青少年は「性の知識」を主にインターネットを通して得ており、回答者の12.1%が「SNSを含むサイト」を通して「性の知識」を得ていると答えた。
調査では、子供が性をめぐる質問をした場合、多くの保護者がちゃんと向き合っているものの、避けて通ろうとする人も依然として多いことが分かった。アンケートでは、ちゃんと向き合う(ちゃんと答える+選択的に答える)父親と母親の割合はそれぞれ59.1%、63.6%だったのに対して、質問に正面からは向き合わない(何も答えない+答えずに叱る)父親と母親の割合はそれぞれ34.8%、28.6%だった。その他、父親の6.2%、母親の6.1%がその質問に答える「能力がない」と感じていた。それらの回答を分析すると、一人っ子の両親、高学歴の両親は子供の性の問題と比較的積極的に向き合っていることが分かった。
その他、「性」は、「楽しいこと」、「美しいこと」と回答した青少年の割合は58%を上回った。また、64.3%が「責任を持つべき」と答えた。つまり、積極的で正しい性に対する見方が青少年の間に浸透しているということだ。しかし、調査では、「婚前交渉」をしても「いい」と感じている青少年が明らかに増加していることが分かった。男女別に見ると、その割合は男性のほうが高かった。また、青少年は、「未成年の女性の妊娠」に対して日に日に寛容な態度を示し、女性もその問題により寛容な見方をするようになっていることも分かった。
上海社会科学院社会学研究所の課題グループの専門家は、「現在、青少年の性に対する見方は日に日にオープンになっている。また、正しい性の知識を得る場がなく、性教育が進まないなどの課題が際立つようになっている。学校、家庭、社会が共に、思春期の若者に対する系統立てた性教育体系を構築するよう取り組むのが急務といえる」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年7月5日
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