中国の李克強総理が7月5日から10日にかけて、ブルガリアを公式訪問し、ソフィアで開催される第7回中国―中・東欧諸国首脳会議に出席する。今回の訪問は中国ブルガリア関係と「16プラス1協力」についてさらなる計画を立てる重要な契機になると専門家は指摘する。中国新聞社が伝えた。
中国総理のブルガリア訪問は18年ぶり。中国の王超外交副部長(外務次官)は国内外プレス向けブリーフィングで「中国側は今回の訪問を通じて双方の政治的相互信頼を強化し、伝統的親善を揺るぎないものにし、両国の発展戦略の連携を強化し、各分野の協力を拡大・深化し、両国の包括的友好協力パートナーシップを新たな水準へ高めることを期待している」と表明した。
「歴史的にも現実的にも中国ブルガリア関係は割合友好的だ」と中国社会科学院欧州研究所中東欧研究室長の劉作奎氏は語る。
王氏は「今回両国首相は政府協力文書、ビジネス契約複数の調印にも立ち会い、両国協力の幅の広さと水準の高さを十分に示す」と指摘。専門家は、中国ブルガリア協力の重点分野として以下を挙げる。
(1)農業分野。「神の庭」との名を持つブルガリアはバラ、ヨーグルト、ワインなどの農産物で世界に知られる。「中国側が農産物の輸入拡大を望んでいるだけでなく、ブルガリアも中国企業との協力によるブランドづくりを望んでいる」。劉氏によると、すでに天津農墾集団がブルガリア第2の都市プロヴディフに農場を設立した。
(2)交通分野。今年3月、中国海航機場集団公司がプロヴディフ空港の改造・拡張の競争入札で勝ち、同空港の35年間の特別経営権を獲得した。直行便がさらに増えれば、両国の経済・貿易協力の拡大が大きく促進されると分析される。
(3)装備製造業と観光サービス業。劉氏によると、長城汽車、華為技術など中国のハイテク製品はブルガリアで大きな優勢にある。ブルガリアの豊富な観光資源も開発が待たれる。例えば、かねてより有名なバラ祭りは中国人観光客を惹きつけている。
劉氏は、ブルガリアが「一帯一路」建設と「16プラス1協力」を積極的に支持していることにも注目する。言い換えるなら、中国側の打ち出した地域協力の重要提案を、ブルガリアはいずれも積極的に支持している。「16プラス1協力」は中国と中東欧16カ国が共同で築く地域を跨ぐ協力プラットフォームだ。中国の任鴻斌・商務部長助理(商務次官補)は「協力体制の構築以来、双方の経済・貿易協力は著しい進展を得て、貿易は発展し続け、投資協力は拡大し続け、インフラなどコネクティビティ事業は順調に進み、金融協力は方法がより多元化し、交通、農業、観光分野の実務協力も着実に発展している」と語る。
統計では、2017年の中国と中東欧16カ国の貿易総額は680億ドル近く(前年比15.9%増加)で、貿易構造は最適化が進んでいる。概算統計では、中国企業の対中東欧諸国投資は90億ドルを超え、中東欧16カ国の対中投資は14億ドルを超え、相互投資分野の多元化が進んでいる。
王氏によると、今回の会議のテーマは「開放・実務協力を深め、繁栄と発展を共に促進し、享受する」だ。次の段階の「16プラス1協力」の発展は主に協力体制の継続的整備、実務協力の深化、民心の通じ合いの促進という3つの面に立脚する。
「この3つの面は中東欧諸国の求めを反映すると同時に、われわれの蓄積したノウハウのおかげでもある」。劉氏の分析では、協力制度の整備は協力の推進を制度面から保障することを意味する。プラットフォームの構築はすでに成果を得ているが、今後の地方協力または新たな分野の協力を切り開くためにトップレベルデザインをまとめる。実務協力の深化は主に中東欧諸国の求めに基づき、さらに多くの具体的な事業や成果を得ることは、今後強化すべき部分だ。「民心の通じ合い」を重点的に打ち出すのは時宜にかなっており、「16プラス1協力」の第2の5年間の「スタートの年」において、双方が一層「心を交わす」ことで、協力の道をよりスムーズにしていくことができる。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年7月4日
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