外交部(外務省)の華春瑩報道官は18日「米国の貿易戦争は中国のみが標的ではなく、全世界が敵であり、世界経済を危険な状況に引きずり込む」と述べ、次の点を指摘した。
(1)貿易戦争は世界貿易の成長の勢いに打撃を与える。国際通貨基金(IMF)の研究は、これら関税の脅しその他障壁によって全ての国々の輸入物価が10%上昇し、5年後に世界貿易は15%縮小すると指摘する。世界銀行は、米国と主要貿易パートナーとの間の関税上乗せのもたらす影響は、2008年から2009年の金融危機の間に減少した貿易量に相当すると考える。
(2)貿易戦争は世界経済に対する各国の信頼に打撃を与える。IMFのラガルド専務理事は先日「世界経済を覆う暗雲が濃くなってきている。最も大きく、最も暗い雲は信頼の悪化だ」と警告した。貿易戦争のエスカレートは、すでに世界経済にとって最大の「信頼破壊者」となっており、ようやく得た回復基調を破壊し、世界経済成長の根幹を揺るがす。経済協力開発機構(OECD)は、関係国の関税引き上げによって、世界経済の成長率は1.4ポイント下がると予測する。
(3)貿易戦争は全世界の民衆の幸福を脅かす。世界貿易機関(WTO)のアゼベド事務局長は「貿易戦争は全ての人にとって有害であり、雇用に深刻な影響を与え、貧しい人は購買力を63%も失う」とする。米国の経済機関も、貿易戦争によって米国人60万人が失業し、米国の労働者、農家、消費者がいずれも損害を被ると予測する。
(4)より重要なことに、国内政治上の考えから、自分だけの利益のために貿易戦争を発動するのは、典型的な一国主義、ゼロサム思考だ。これは第2次大戦終結以来の国際ルールとグローバル・ガバナンスの全面的後退であり、これが進行し続けた場合、世界経済にもたらす損害はより深いものになるとみられ、実に憂慮される。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年7月19日
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