この心をざわつかせる余計な物がない部屋では、ベッドに寝転がって外を眺める人が一番多いという。広々とした海の景色がまるで絵のように目に飛び込み、遠くの港には漁船がゆっくりと入港する様子が見られ、魚やエビがさぞ大漁だっただろうなどと想像が膨らむ。
ベッドにごろりとなってゆったり本を読み、時々顔を上げて窓外の海や港や漁船を眺めるのは、この上もなく楽しいひとときだ。東京から抱えてきた心の緊張はたちまちほぐれていく。
せかいえは設計に借景を採用しているため、大きな空間や豪華なインテリアがなくても、利用者はゆったりと自然に溶け込み、えも言われぬ境地を味わうことができる。
レストランもゆったりペースだ。前の料理が出てから10数分経たないと次の料理は出てこず、1皿あたりの分量は多すぎないように調整されている。店員は料理をテーブルに置く時には必ず料理名を告げ、作り方と食べ方を簡単に説明し、さらに客と一言二言会話する。このようなペースでゆっくり食べるため、1回の食事時間は2時間を超える。
せかいえの規模はそれほど大きくなく、客室は20室ほどしかないが、だからこそいつでもひっそりと静かな空間を約束できる。従業員もいつも温かく親切で、ぞんざいな口をきくことなどあり得ない。
東京ではない日本の三線都市にある小さな温泉旅館が、真の「リラックス」とは何かを教えてくれる。現代の中国人が最もあこがれる「スローライフ」で何か一番大切かを教えてくれる。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月2日
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