▽投資を安定させるには、民間投資の潜在力が大
上半期の中国の投資増加率が鈍化したのは、経済のモデル転換や構造調整に際しての必然的な現象だ。その中で、民間投資の増加率が好転傾向を示し、1~6月は同8.4%増加で、前年同期を1.2ポイント上回り、投資全体に占める割合は58.9%になって、同1.3ポイント上昇し、投資の増加に対する寄与度は81.5%に上った。国家発展改革委員会の厳鵬程報道官は、「ここから3つの積極的なシグナルがうかがえる。1つ目は上半期の全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の利益が同17.2%増加し、企業の資金源が保障され、投資能力も有効な保証を得たことだ。2つ目は年初以来、製造業の購買担当者指数(PMI)が景気とみなされる範囲で推移し、工業製品の出荷価格指数(PPI)も合理的な水準を保ち、企業の投資への信頼感は高く、今後の予測も好転していることだ。3つ目は行政のスリム化、減税、費用の引き下げといった一連の政策措置が実施され、企業の投資意欲を、とりわけ民間企業の投資意欲を強化したことだ」と説明する。
▽投資を安定させるには、高い品質の供給の可能性を拡大する
中国社会の主な矛盾点が、国民の日増しに拡大する素晴らしい生活のためのニーズとアンバランスで不十分な発展との間の矛盾へと変わり、消費構造もバージョンアップ加速の重要な節目にある今、新技術革命という歴史的なチャンスをしっかりつかまえ、先進的な生産能力を早急に育成し、遅れた生産能力を徐々に撤退させ、質の高い供給を急速に増やすには、供給システムの質を速やかに改善することが必要になる。上半期にはハイテク製造業への投資の勢いが強まり、増加率は製造業全体を6.3ポイント上回った。国務院発展研究センター産業経済研究部の趙昌文部長は、「供給構造の改善で投資が果たす役割がますます重要になっている。投資の安定とは単に投資ベースを加速させることではなく、有効な投資を着実に後押しすることこそが必要だ」との見方を示す。
高い品質の発展へと進む道のりの中で、新たな投資分野が次々登場し、企業の投資の活力も全面的に発揮されるとみられる。潘氏は、「インフラの弱点という『ハード』には大きな投資の可能性があり、高水準の文化・芸術・教育などの『ソフト』への投資も強化される必要がある。たとえば現在、ハイカルチャーの供給は超大型都市に集中しており、中小都市にはほとんどない。ここには巨大な投資チャンスが内包されている」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年8月6日
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