人々を驚かせたのは、ポップアップ・ストアで靴作りの実演を交替で行っている職人4人は、いずれも高齢の職人ではなく、せいぜい「80後(1980年代生まれ)」といった見かけだったことだ。彼らは、内聯昇が組織した「新匠トップチーム」であり、見事な技術を身につけているだけでなく、トレンドの最前線も把握している。
このような、職人との「ゼロ距離」インタラクティブ交流によって、多くの若者たちが、「老舗」を真の意味で理解し、さらには、老舗の歴史により興味を持つきっかけとなっている。店内の壁に掛けられた写真は、内聯昇の発展の軌跡を再現している。清朝の咸豊3年創業の内聯昇は、朝靴(朝廷登庁用の靴)の製造からスタートした。朝靴は当時、布靴の中でもぜいたく品だった。1918年、内聯昇は最初の転機を迎え、マルチレイヤー布靴が朝靴に取って代わり、その主力製品となり、民間の人気ブランドとなった。
100年後の今日、この老舗は再び岐路に立つこととなった。クラシック路線を続けるのか?はたまた時代の潮流に乗るべきか?内聯昇は両者の融合を図るという選択を行った。2015年から、マルチレイヤー布靴に、アニメキャラクターや流行のスタンプ、各種映画・テレビドラマの人気キャラなどのデザインが続々と登場。今回オープンしたポップアップ・ストアにも、ディズニーキャラクターから、ゲームキャラのアングリーバード、アニメ映画の「大魚·海棠」といった代表的なキャラのグローバル提携によるさまざまな布靴が展示されている。
内聯昇の程旭・副総経理は、「三里屯ポップアップ・ストアの開店によって、『人間が古い』『店が古い』『製品が古い』といった老舗に対する人々の固定観念を覆し、弊社が打ち出した『新匠』『新販売』『新設計』という全く新しいブランドの主張を訴えていきたい」としている。
老舗の多くは、トレンドの発信地に進出することで、より多くの若者からの支持を得ることを願っている。先ごろ、創業124年を誇る北京稲香村も愛琴海ショッピングセンターに進出、アンテナショップ「稲田日記」をオープンさせた。内聯昇のポップアップ・ストアは、8月19日までの10日間限定の店舗だが、同社は今後、三里屯に長期にわたり店舗を構え、老舗の東洋技術を時代の潮流に組み入れようと計画している。(編集KM)
「人民網日本語版」2018年8月13日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn