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高齢化は不可逆 法改正で公務員の定年延長はかる日本

人民網日本語版 2019年01月24日08:19

日本政府は統一地方選挙と参議院選挙を控えて、1月末の国会開幕時に提出する予定だった国家公務員の定年を延長する改正法案や賃金に関する改正法案の提出を見送った。それでも日本社会の高齢化の流れは不可逆のもので、公務員の定年延長は必然的なことといえる。「経済日報」が伝えた。

日本政府は元々、1月末の国会開幕時にこれらの定年延長法案と賃金法案を提出する予定だったが、春の統一地方選挙と夏の参議院選挙の後に先送りされた。

今年の日本は選挙イヤーで、4月に4年に1回の統一地方選挙、7月に3年に1回の参議院選挙(約半数が改選される)がある。日本政府はもともと選挙と重要法案の審議をどちらもうまく乗り切ろうと考えていたが、最近になって厚生労働省の勤労統計不正問題が発覚し、毎月勤労統計では大規模事業所をすべて調査するとのルールに従わず、勝手に調査対象を絞る抽出調査を行い、データの信頼性に問題があったことがわかり、800億円の追加給付が必要になって国家財政に損失を与えただけでなく、公務員の印象も悪くなった。このタイミングで公務員の退職年齢を延長し、待遇を改善する法案を提出すれば、世論の反発と野党の追及を引き起こすのは必至であるとして、政府は戦術を調整し、選挙後に国会に提出して審議にかけるやり方に切り替えた。

日本政府は昨年下半期に公務員の定年延長の検討を始め、昨年8月には人事院が意見の申出を行い、段階的に定年を延長するとともに、高齢公務員の待遇改善を進めるよう申し入れた。これは社会全体の定年延長を促進し、人手不足の問題を解決し、年金をめぐる圧力を緩和するという国の政策とも一致する。そこで政府は両改正法案を起草し、年内に国会に提出して審議を行い、法律の規定によって定年を一律65歳に延長することを目指した。

これまで日本政府に定年延長を強制する規定はなく、国家公務員や企業のサラリーマンの定年延長を呼びかけ、奨励するにとどまっていた。国家公務員の再任用制度の規定では、本人からの申請があった場合、定年を適宜延長することができる。年金は受給開始年齢が引き上げられ、65歳にならないと受け取れなくなった。だが国家公務員で再任用制度を活用する人は一部にとどまり、ほとんどの公務員と企業のサラリーマンは60歳以降は再就職かパートで暮らしを立てる道を選ぶ。

日本政府は2021年から改正後の両法律を施行して、国家公務員の定年を一律65歳に延長し、このうち行政の指導の職務を担う者は原則として60歳以降はその職務から外れ、極めて特殊な専門的知識や特別な需要のある行政指導の職務に当たる者については、承認を経た上で定年を適宜延長することができるとする計画だ。また60歳以降の賃金水準は60歳までの収入の70%を下回ってはならないとするほか、身体の状況に基づいてフレックスタイム制を採用する計画だ。操作レベルでは、21年から徐々に定年を延長し、2年で1歳引き上げ、30年には働くすべての人の定年を65歳にする予定だ。

日本の国家公務員には政府機関で働く人と行政執行法人で働く人がおり、総人数は約58万4千人に上る。日本では地方自治制度が実施され、273万9千人の地方公務員がおり、より大きな層として存在する。

日本政府の国家公務員定年延長措置にはいくつかの目的がある。まず人口が減少し、高齢化する社会の発展ニーズに対応し、国家公務員の人手不足問題を解消すること。次に国家公務員をモデルケースとして、地方自治体と民間企業の定年延長を制度によって支えることだ。厚生労働省が17年に行った調査では、現在、65歳定年を実施する民間企業は20%に届かず、政府が掲げる高齢者の就業率目標にははるかに及ばない。またこの措置によって民間企業で働く60歳以上の人の給与待遇の改善が促進されることになる。

現在、民間企業の雇用制度では、60歳以上の社員の給与待遇は明らかに低く、その大半が60歳までの収入の60%にとどまるという。日本の労働政策研究・研修機構の行った調査では、企業で働く高齢の社員で60歳までの給与の60%以下しかもらっていないという人が25.8%に上った。日本政府は国家公務員制度の改革を通じ、社会全体で高齢者の就業と給与水準の引き上げをはかりたい考えだ。

現在、日本政府の草案は制定作業が完了したが、参議院選挙と世論を考慮して国会提出の時期を遅らせている。ただ公務員の定年延長は必然的な流れだといえる。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年1月24日

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