○文化市場での供給の不十分さが露呈
動画サイト「愛奇芸」の統計データによると、「星から来たあなた」の再生回数は、午年春節(旧正月)期間中に最高を記録した。このドラマがブームの渦中に入ると同時に、春節中の映画消費市場も異常な過熱ぶりを示した。
国家新聞出版広電総局の統計データによると、7日間の春節連休中、中国の映画興行収入は前年同期比62.2%増の14億3400万元(約241億円)を突破、観客動員数は延べ3945万人(同73.3%増)、上映回数は82万回(同46.4%)にそれぞれ達し、史上最高記録を更新した。
しかし、高い入場券を払わなければならない映画作品に対して、非難も多く集まった。「西遊記之大閙天宮(The Monkey King)」は、特撮細部のレベルが低く、ストーリーにも無理があると批判され、「パパ、どこ行くの?」に至っては、「そもそもこれは映画ではない」という意見も出た。この春節中、映画の入場券を手に入れるために、春運(帰省・Uターンラッシュ)の列車切符を購入するのと同じように長蛇の列に並ばなければならなかった一方、「鑑賞の値打ちがある」映画が皆無であったことに対する不満も溢れ出た。
金瓯プロデューサーはこの問題について、次のような見方を示した。
韓国ドラマブームと春節連休中の映画市場の盛況ぶりの根っこは、同じところにある。中国は文化消費のスタート期に足を踏み入れたが、優れた映画・テレビ作品の供給はまだ不十分な状況にあり、観客のニーズを満たすことができない。
韓国ドラマさらには米国ドラマと比べても、国内の映画・テレビドラマに対する投資額は決して少なくはない。だが、制作側が投資家の言いなりになるケースが往々にしてあり、何かヒットすればすぐそれに追随しようとする。このため、映画・テレビドラマの制作には、規範となる産業チェーンが形成されず、映画・テレビ文化作品が大きな社会購買力を刺激するきっかけとはなっていない。
優れた映像文化作品が生まれるためには、「政策」「クリエイター」「観衆」が三位一体となり、好ましい風土や環境を創り上げる必要がある。「許容度が高く、合理的な方向誘導性を備えた政策」「プロフェッショナル精神に溢れたクリエイター」「成熟した観客」、この3要素が国内制作市場の発展には必要不可欠だ。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年2月18日