中国航天科技集団公司第5研究院第510研究所が16日に明らかにした情報によると、同研究所が独自開発した中国初の200ミリ級イオン推進システムは、科学衛星「実践9号」の宇宙飛行による実験・検証後、長寿命地上試験の連続稼働で1万時間を突破した。光明日報が伝えた。
中国の他に、米国、日本、欧州の一部の国のみが同技術を把握している。
同研究所の張偉文所長は、「中国がこれまでに打ち上げた宇宙船は、化学燃料により宇宙空間での推進を実現している。軌道変更、姿勢調整、方角維持を実現するため、宇宙船は大量の燃料を搭載する必要がある。これは多くのスペースを必要とし、自身の重量を増やしてしまう。使用開始から15年が経過する高軌道通信衛星を例とすると、衛星の重量は約4.8トンに達し、そのうち化学燃料タンクの重量は3トンに達する。イオン推進システムを化学燃料の代わりに使用した場合、方角維持だけでも810キロの燃料を節約できる。全面的なイオン推進化を進めた場合、衛星の重量を2トン以下に絞ることができる。余ったスペースと重量を利用し、多くの科学設備を搭載し、1基の衛星で数基の役割を果たすという進展を実現できる。宇宙船の開発方法にも根本的な変化が生じ、宇宙空間における活動の経済効果、宇宙探査の効率を大幅に高めることができる」と説明した。
イオン推進システムは、2015年頃に中国の宇宙船に全面的に搭載される。通信衛星、深宇宙探査機、重力データ観測衛星、有人宇宙ステーションなどの宇宙船の全体的な技術水準と性能が大幅に向上し、中国の商業衛星の国際的な競争力が強化される。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月18日