中国、「貧富の格差拡大」が発展の最大の足かせ
中国では近年、経済社会の急速な発展に伴い、一部の社会問題や社会対立もますます顕著化している。調査によると、中国の一般大衆にとって、今後10年の国家発展の最大の足かせとなる問題は順次、「貧富の格差拡大(75.4%)」「権力の野放し」(59.4%)」「利益集団の肥大化(52.8%)」「生態環境の悪化(52.6%)」「社会的弱者の利益侵害(50.3%)」「経済発展の減速(31.3%)」「国際情勢の緊迫化(28.2%)」「人口ボーナス(人口構成比において生産年齢の人口が多い状態。経済発展に有利)の消失(27.0%)」だった。中国青年報が伝えた。
社会全体のキーワードになっているのは、「改革」だ。「改革」を求める一般大衆の声は、ますます高まっている。調査回答者のうち72.7%は、「今後10年以内に、再び改革が行われることを期待している」としており、うち38.0%は「非常に期待している」と答えた。
陝西省西安市に住む張さん(女性)は、「所得分配調整・貧富格差縮小の分野での改革に最も期待している。過去数年間、私と夫の収入は少なくはなかったが、昇給率はごくわずかで、物価高の中での家計のやりくりは大変だ。さらに、子供の教育費も上がり続けているため、貯蓄に回す余裕はほとんどない。生活費と教育費以外に使えるお金など、もってのほかだ」と話した。
武漢市に住む付さんは、「三公消費(中央・地方政府が使った海外出張・公用車・飲食接待の費用)」と政府予算配分に最も関心があるという。彼は、「『三公』改革は、この数年で少しは進展したが、まだ十分とはいえない。この問題を解決するためには、政府予算の監督・コントロールを手始めとして、現行の政府予算体制の改革に取り組む必要がある。一般大衆、学者、社会監督者などより多くの第三者が、政府予算に関する討議や制定プロセスに参与できるシステム作りを進めていかなくてはならない」との見方を示した。
一般大衆は、今後10年、どの分野の改革を最も期待しているのだろうか?調査によると、「所得分配改革(66.6%)」がトップ、2位は「腐敗一掃体制改革(57.8%)」、3位は「経済体制改革(53.5%)」。4位以下は順次、「行政管理体制改革(47.9%)」「政治体制改革(44.6%)」「司法体制改革(40.9%)」「公共財政改革(40.6%)」「農村改革(39.7%)」(39.7%)だった。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年11月7日