マレーシア航空MH370便が行方不明となり10日目となったが、消息は依然不明のままだ。
マレーシア政府は、「同機の位置を知らせる装置や機体の状態を知らせるシステムが何者かによって意図的に遮断された可能性が高い。また、同機と地上管制との最後の交信は、副操縦士が行った」と表明している。人民日報が伝えた。
マレーシアのヒシャムディン・フセイン運輸相代理は17日、クアラルンプールで開かれた記者会見において、「南北2つのエリアでのMH370便捜索活動が進められている。北部の捜索海域はラオス近海からカスピ海まで、南部はインドネシア・スマトラ島からインド洋南部・オーストラリア西部海域に及んでいる」と述べた。
マレーシア国土交通省が17日に発表した声明によると、行方不明機の捜索に参与している国は、14カ国から26カ国に増えたという。
マレーシアの現地メディアは17日、「ヒシャムディン・フセイン運輸相代理は、行方不明機が地上管制と最後に交信するより前に、機体の状態を送信する『エーカーズ』と呼ばれるシステムがすでに遮断されていたと漏らした。この事実から、操縦士2名のうち少なくとも1名が、意図的に地上との交信を断ったという疑いが濃厚となった」と報じた。
マレーシア航空のアフマド・ジャウハリCEO(最高経営責任者)は、17日の記者会見において、「MH370便は、8日未明に交信が途絶える前、ファリク・アブドル・ハミド副操縦士が地上管制と最後の交信を行った。同日午前1時19分、同副操縦士は地上管制に対し、「了解、おやすみ」と話した。一方、『エーカーズ』と地上管制との最後の交信時刻は午前1時7分だった」と述べた。
ジャウハリCEOは、「エーカーズシステムは、30分ごとに地上管制に向けて情報を発信する。このことから、同システムは、午前1時7分から30分以内に、何者かによって意図的に遮断されたと見られる。だが、遮断された時刻を精確に特定することは難しい」と続けた。
ヒシャムディン・フセイン運輸相代理は、ハイジャックされた可能性について、「今のところ、『犯行声明』や「身代金要求』は一切出されていない」と語った。
また、同運輸相代理は、「マレーシア政府による情報発表が不十分では?」との指摘に対し、「政府は、H370便が行方不明となった当日から、米連邦捜査局(FBI)や国際刑事警察機構(インターポール)と協力して対応してきた。捜索に役に立つと見られる情報については、一切隠ぺいしていない。とはいえ、あらゆる情報は、信頼に足るものであると確認できない限り、発表することはない」と説明した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年3月18日