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3月19日、対潜哨戒機P-3 Cオライオンで行方不明機の捜索を行うオーストラリア空軍のラッセル・アダムス操縦士 |
パプアニューギニアを訪問中のトニー・アボット豪首相は20日夜、「衛星画像に写っている物体が、マレーシア航空MH370便の破片であることを裏づける根拠は今のところ存在しない。現場付近での詳しい捜索によって、明確な結論が得られるであろう。だが、今回の発見によって、行方不明機の捜索活動において、初めて実質的な進展が得られる可能性が高い」とコメントした。人民日報が報じた。
オーストラリア海事安全局は20日午後、キャンベラで記者会見を開催した。記者会見の席上で、同局緊急対策部のジョン・ヤング氏と王立オーストラリア空軍のジョン・マコーレー司令官は、オーストラリア政府が衛星を通じて同国西部のパースから南西に約2500キロメートル離れた海域でMH370便の残骸と見られる2つの物体を発見したことを明らかにした。このうち大きい方は、長さが約24メートルあるという。オーストラリア当局が派遣した捜索機が同海域に向かい、詳しい調査を進めている。専門家は、「現時点で、見つかった物体の正体を特定することは難しい」との見方を示した。
オーストラリアのデビッド・ジョンストン国防大臣は、「発見された物体が、MH370便の機体の一部であるか否かは、2-3日中に判明するだろう」と述べた。
○複数の航空機が捜索に出動したが、現時点で物体の現物は未発見
オーストラリア海事安全局は、捜索機4機を手配し、残骸らしき物体が発見された海域に派遣した。同海域の海流状況について監視・測定を行い、その物体が他の場所に移動するのを防ぐため、捜索機は海面にソナーブイを投下したという。
20日午後、残骸らしき物体が見つかった海域に向かった米海軍対潜哨戒機P-8Aポセイドンに同行しているデビッド・ライト記者は、「哨戒機のレーダーは、『かなり大きな』物体の影を捉えた」と話した。だが、米海軍第七艦隊の広報担当者によると、レーダーに映ったこの影は、オーストラリアが発見したMH370便の機体の残骸らしきものとは無関係だったという。
残骸らしき物体が見つかった海域上空は、雲の層が厚い上、降雨の影響もあり、可視度がかなり低い。すでに3機の捜索機が現場を捜索して戻って来たが、手がかりらしきものは得られなかった。だが、空中からの捜索は今後も続けられる予定。捜索活動は、20日午前0時でいったん打ち切られるが、21日早朝に再開される。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年3月21日