香港で12日に開催されるオークションに、清の時代(1644-1912)には釣魚島(日本名・尖閣諸島)が中国の領土であったことを示す記述がある「使琉球記」(全3巻)が出品されるという。同書には、清の第7代皇帝・嘉慶帝(かけいてい)の時代に、「官僚らが、海路で琉球王国や冊封国(さくほうこく)の王の元へ行った際、釣魚島に上陸した」という一幕が記載されている。同記述は、同時代の官僚・李鼎元が述べた言葉を、李和叔が記述したものとされている。香港文匯網が報じた。
中国新聞網の報道によると、同オークションを開催するのは、香港のオークション会社「普芸拍売」。同社書画部の責任者・庄志崗氏によると、出品者は清朝の歴史を研究するコレクター。1877-89年に上海申報館で印刷された28種類の「大清紀事線装書」が出品される。
庄氏によると、同コレクターは若年時代に、定期刊行物として発行された同書を各地から集め、これまで見た中でもよく揃った一品という。竹の箱で保存されているため、保存状態も良好という。「同コレクターは既に高齢で、今回のオークションを通して、さらに多くの人に釣魚島は早くから中国に属していたという歴史を知ってもらうことを願っている」と庄氏。
同書は、清朝の歴史や外交なども記載。うち、「使琉球記」の第3章4ページには、釣魚島の地形のほか、釣魚島に上陸し海の神を祭る儀式を行い、旅の無事を祈ったことなどが詳しく記載されている。庄氏によると同書籍は、清朝の歴史研究にとって非常に重要であり、3-4万香港ドル(約39-52万円)で落札されると予想されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月10日