天然資源の効率的で持続可能な利用について考える国連環境計画(UNEP)国際資源パネルのE・U・フォン・ワイツゼッカー共同議長は8日、取材に対して、「先進国の経験からして、中国の煙霧を解決するためには約20年必要だろう。ただ、現在は環境保護技術が進んでいる時代で、中国は過去の時代より有利な立場にある」との見方を示した。新華網が報じた。
8日から海南省博鰲(ボアオ)で開催されているボアオ・アジアフォーラム2014年度年次総会に参加しているワイツゼッカー共同議長は、「1960年代、ドイツも大気汚染に悩まされた。多くの人が、経済発展には汚染がつきものと考えている。しかしドイツ政府は、大気汚染の改善のために多くの対策を講じてきた。例えば、鋼鉄や発電などの業界の汚染物質排出を規制し、大気の質の大幅改善を促進した」と語った。
また、「中国のエネルギーは、石炭に大きく依存している。この点、1950-60年代のドイツに似ている。ドイツは大気汚染の解決に約20年の歳月をかけた。中国もそれぐらいかかるだろう。ただ、現在はよりよい時代になっている。例えば、環境保護技術が日に日に進んでいるし、新エネルギーの価格も数十年前に比べて大幅に低下した。また、エネルギーの效率も大幅に向上している。これらは、中国が煙霧を解決するのに非常に有利な条件」と指摘した。
そのほか、煙霧の解決が企業にもたらす負担に関して、「中国は先進国の経験を参考にできる。例えば、スウェーデンは過去に、鋼鉄企業に対して、高額の大気汚染税を課した。そして、その税金を、汚染物排出の少ない企業に回した。そのようにして、企業の技術水準向上を促進し、汚染軽減と同時に効率向上を成し遂げた」と語った。
そして、「エネルギーの效率向上や汚染の軽減は、産業を空洞化させるということではなく、環境に優しく、持続可能で、かつ近代化された工業を実現するために必ず通るべき道」と指摘した。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月10日