日本による南極海での調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に違反するとしてオーストラリアが中止を求めた訴訟で、国際司法裁判所(ICJ)は3月31日、南極海での調査捕鯨を「科学的でない」と結論づけたうえで、現行制度での調査捕鯨の中止を命じる判決を言い渡した。しかし、日本が捕鯨活動を直ちに中止するという訳ではなく、「捕鯨」をめぐる大論争は今後も続きそうだ。共同通信社の記事を引用して人民日報海外版が報じた。
嘘だった「科学調査」
今回の裁判の最大の争点は、日本による南極海での調査捕鯨が国際捕鯨取締条約第8条によって認められた科学的研究のための活動に該当するかだった。オーストラリアは、日本の捕鯨活動は科学的研究のためのではなく、実態は商業捕鯨で、商業捕鯨を禁じる国際捕鯨取締条約に違反すると主張していた。それに対して日本は、「合法的な科学調査」と反論していた。
判決で、ICJのペテル・トムカ裁判所長は、日本が年間ミンククジラ850頭、ナガスクジラ50頭、ザトウクジラ50頭を捕獲していることに関して、「調査の目的を達成するための妥当な量とは言えない」と指摘したほか、「日本は殺さずに調査する可能性を十分に検討していない」と日本の姿勢を批判した。
さらに、「日本は2005年から研究プログラムという名目で、約3600頭のミンククジラを補殺してきたが科学的研究の結果は限定的。データに基づく研究論文はわずか2件で、それも捕殺したクジラ9頭から得たデータ。捕鯨頭数と釣り合わない」と指摘した。