5日、山東省濰坊市臨朐県にある沂山に置かれたMH370便の模型に「奇跡が起きますように」、「早く帰って来て」などと、乗客が無事帰って来ることを願うメッセージを書く小中学生たち。沂山は古代より、幸福を祈る山として知られ、帝王16人が毎年この山に上って、繁栄や豊作を祈ったとされている。 |
マレーシア航空MH370便が消息不明となって31日が経った7日、乗客の家族らの待機場所となっていたホテル「ホリデイ・イン リド北京」の大ホールは、テレビのニュースの音が聞こえるだけで静まりかえっており、乗客の家族が時々姿を現すだけだった。中国新聞網が報じた。
この1カ月間、乗客の家族約500人は、恐怖やむなしさ、絶望など、さまざまな感情に襲われてきた。同ホテルのスタッフによると、新情報の発表会が行われなくなって以降、ここに来る乗客の家族は数えるほどになったという。
息子が不明機に乗っていたという女性はうつろな目でホールに座り、「来たからといって、息子の行方が分かるわけでもない。息子の嫁は毎日泣き続け、医者にも涙が枯れたと言われた。息子が帰って来ることだけを待ち望んでいる」とし、「生存者はいない」とするマレーシア政府の結論は信用しておらず、確実な証拠が見つかるまで「決してあきらめない」と語った。
幼い孫の話になると、同女性は突然大声で泣き出し、「孫は毎日起きるたびに、『パパはどうして帰ってこないの?』と聞く。私は何と答えればいいのか」と訴えた。
その他、乗客の家族らが数人のグループになり、今後の計画を、硬い表情で話し合っていた。
また、ホールには、「MH370便の乗客が無事帰って来ることを祈る」と書かれた寄せ書きボードが置かれていた。そこには、家族らが書いた「消息不明になって長い時間が過ぎたけど、私たちの心は以前に増して近づいた。青い海のどこかにある美しい島でみんなが生きていることを信じている。みんなの叫びが耳の横で聞こえるかのよう。全世界が息をのんで聞いている。MH370帰っておいで。家に帰ろう。もう朝だよ」などの詩が残されていた。
その近くでは、気温25度にもかかわらず、分厚いセーターを着た高齢の男性が涙を流しながら、しゃがみ込み、遠くを見つめていた。そして、事故故発生当日から同ホテルでボランティアとして働いているマレーシア人スタッフが、「かすかな望みだが、奇跡が起きることを願っている」と、喉を詰まらせながら励ましていた。
MH370便がクアラルンプール国際空港を出発して丸一カ月になる8日午前0時41分、乗客の家族らは集まって共に無事を祈った。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月8日