手が震えるほどお金を数えるバス会社の精算員

　鄭州市路線バス総公司には、毎日市全域の5千台近くのワンマンバスの収入を数える100人あまりの女性従業員がいる。彼女たちは毎日、つま先が露出したサンダルを履いて勤務し、1日10時間近く座りづめで、腰や背中の痛みに悩まされている。仕事が軽度の強迫症のようになり、家に帰ってからも散らばった小銭を見ると、整理せずにはいられない人も少なくない。東方今報が伝えた。

　▼特集

　精算員の呉瑞勤さんは1日の仕事で1万元以上を数えることができる。彼女はわずかな期間で金額を正確に計算するだけでなく、シワだらけの紙幣を平らにのばしてきちんとまとめ、破れた紙幣や偽札がないかどうかもチェックする必要がある。

　「この傷口はずっと治らない」。呉瑞勤さんが見せてくれた両手は、左手の真ん中に大きな傷口があった。「よくなっても、仕事をするとすぐ傷が開いてしまう」。この仕事が長い呉瑞勤さんも、若干強迫症じみていると笑いながら語る。例えば、家に帰って、引き出しや家族の財布の中に乱雑に入っているお金を見ると、一々取り出して伸ばし、整えたくなるという。

　「90後」（1990年代生まれ）の李平さん（24歳）は、2013年度の鄭州市「五一労働賞」の受賞者だ。

　理想的な生活とは「数えすぎて手が震えるほどのお金、目が覚めるまでぐっすり眠れる」ことだと言われているが、李平さんは、この理想の前半は実現したが、後半はまったくの贅沢な望みになってしまったと笑う。精算センターで彼女は1日に鄭州市の5千台近くのワンマンバスの収入をきちんと精算しなければ帰宅することはできず、ぐっすり眠れる機会は少ない。

　李平さんは、自分が恋人に求める基準は、自分の仕事を理解してくれることだ、と笑顔で語る。