米連邦準備制度理事会が量的緩和策(QE)を終了に向かわせることを発表し、ホットマネーが新興市場から撤退しようとしており、不動産市場のリスクを高めている。
復旦大学経済学院の孫立堅副院長は、「QE3の終了は『量的』の終了にすぎない。米連邦準備制度理事会が取得した米国債は8500億ドル規模に達するが、金利を引き上げる可能性はなく、依然としてゼロ金利の水準だ。その一方で中国の金利が下がっておらず、この金利差がホットマネーの流入を招く。ゆえに中国市場は将来的に強い圧力を受け、海外の資金が流入することになる。米国市場の景気が良くなれば、ホットマネーが中国を撤退するリスクが高まる。そのため資金の大規模な流入・流出に警戒しなければならない」と指摘した。
◆管理強化で投資を合理化
専門家は、「中国は現在、資本勘定に対して規制を続けている。外資は中国から撤退する際に、貿易もしくは投資のルートしか選択できず、資本ルートは現時点では利用できない。ゆえに中国の資本市場への管理は、QEの中国資本市場への影響をある程度相殺しており、インドやインドネシアのように大きな衝撃を受けることはない。しかしホットマネーが不動産市場に流入し、バブルを形成するリスクには備えるべきだ」と分析した。
孫副院長は、「中国が外資への管理を強化しなければ、ホットマネーが中国に流入後、高収益のシャドーバンキングや不動産市場に流れ込むことになる。中国の実体経済は資金不足に陥っているが、中国市場で資金が不足しているわけではない。仮想経済で資金が余り、実体経済で資金が不足するという問題の解決は、中国市場をいかに管理するかにかかっている。特に現在は資本勘定を開放する金融改革を推進中のため、開放の時期を良く見計らう必要があり、一気に大規模な開放を実施するべきではない」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月10日