▽進展なければ、交渉長期化のおそれも
今回の会合がスタートする前、甘利担当相は記者会見で「柔軟性を示す」と述べていた。日本と米国が関税撤廃をめぐって意見が大きく分かれることを踏まえて、甘利担当相は各国に譲歩を促している。今回の閣僚会合で目立った進展がなければ、交渉は長期化するおそれがある。
▽寸評
中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長は次のように述べた。
農業と自動車の関税は、米国と日本の目下のTPP交渉における重要問題だ。日本の自動車の一部は米国で生産が行われており、日本が米国に自動車の関税を早急に撤廃するよう迫るのは、対抗策という意味合いが大きい。
全体としていえることは、日本のTPP加盟交渉は交渉全体のプロセスを遅らせているが、交渉への影響力を強化する上では極めて重要なポイントだ。米日双方にそれぞれ思惑があり、日本はまずTPPに加盟し、米国との関係をよくすることで、アジアの貿易で主導権を握りたいと考えており、政治的な必要性と経済的な利益という2つの側面がある。米国はアジア・太平洋地域の貿易ルールというゲームを再編し、アジアの貿易ルールで制定権を握りたい考えだ。
今年暮れには米国で中間選挙がある。そこで今年3-6月に、米日は集中的に交渉を行う予定で、TPP交渉は重要な進展を遂げる可能性がある。米側の圧力に迫られて、日本は「重要5項目」というラインを守りきれず、一部の農産品を開放し、一定期間の過渡期に条件つきで、または段階的に一部の農産品を開放する可能性がある。最終的にTPPが想定していた「最高の水準」はかなり割り引かれることが予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年2月25日