債券市場が急速に拡大 資金調達の新たなルート
中国は今まさに「債券の時代」を迎えている。今年11月末現在、銀行間債券市場全体の債券発行額は約7兆元に上り、同期の国内総生産(GDP)に占める割合は15%を超えた。取引額は240兆元に上り、同期のGDPの約6.8倍になった。うち中国銀行間市場交易商(取引業者)協会が登録し債券を発行した非金融企業の資金調達の残高は4兆1千億元を突破し、前年末より1兆1千億元増加し、社会全体の資金調達額の約8%を占めた。累計発行額は8兆1千億元に達し、今年の発行額は2兆5千億元に迫るとみられる。
今年に入ってから、中国の銀行業界は「貸出の引き締め時期」に入っており、多くの企業が資金面でのボトルネックに直面し、債券発行による資金調達の道を探るようになり、債券市場が急速に拡大することになった。中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所国際投資研究室の張明主任によると、今年は企業が債券市場を通じて資金を調達する規模が例年を上回り、急速に発展している。その重要な原因として次の点が挙げられる。第一に、中国の金融監督管理部門は貸出を厳格にコントロールしており、こうした背景の下で、社会の大きな資金調達ニーズが企業債券市場の発展を促した。第二に、年初以来、中小企業の債券発行規模が目立って拡大した。第三に、一連の信用格付けが高い大・中規模企業にとっては、債券発行による資金調達コストは銀行の貸出による資金調達コストを下回り、中小企業にとっては、債券を発行することで「グレー市場」の高い資金調達コストを避けることができる。こうしたことにより、債券市場を通じての資金調達が人気を集めたという。