2008年にグローバル金融危機が発生して以来、中国の巨大な国内需要がもつ潜在力がグローバル経済復興の重要なエンジンとなり、イノベーションの原動力となってきた。2011年の中国の最終消費支出は米国の約3分の1の3兆4800億ドルとなり、人民元に換算すれば約22兆4700億元だ。中国国内市場の名目値は非常に大きいが、個人消費の水準はいまだに非常に低く、巨大な上昇の可能が中国にエネルギーを与え続けている。「京華時報」が伝えた。
中国ニーズの伸びは貿易の大きな伸びをもたらすと同時に、グローバル企業が中国を戦略や方針決定の中心に置くことへとつながった。2012年5月に国務院発展研究センターが国内・海外の企業394社を対象に行った調査研究によると、多国籍企業の未来の戦略における中国の位置づけでは「重要な市場」が1位となり、2位は「重要な研究開発拠点」だったという。
実際、米国などの先進国の製造業の国内回帰は中国をはじめとする新興市場をより多くターゲットとしたものであり、このため大陸部に研究開発センターを設立することが一大ブームとなっている。商務部(商務省)がまとめた統計によると、2010年には外資系企業が中国に新設した研究開発センターは194カ所で、これまでに設立されたセンターは累計で約1400カ所に達した。また、ますます多くのグローバル企業が研究・開発・設計部門を消費ニーズに近い中国国内に置くようになっている。多国籍企業は中国で新たな発展段階を迎えており、第1段階では中国を市場の中心とみていたのが、現在の第2段階では研究開発の中心とみなすようになっている。
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