元高が進行、中国輸出企業に影響も
中国商務部(商務省)の沈丹陽報道官は16日に開かれた定例記者会見で、「人民元相場の上昇は、中国貿易会社に大きな影響を与え、輸出企業にとっては不利な影響が多い。企業は長期的な経営の先行きに対する自信を失っている。中でも、注文があっても受注に踏み切れないという現象が際立っている」と表明した。中国経済網が伝えた。
中国外貨取引センターは木曜日、5月16日に銀行間外貨市場における人民元の対米ドル相場(仲値)が、6.2096に達したと発表した。人民元相場(仲値)は9日に6.20を切り、為替相場形成メカニズムの改革後の新記録となる6.1925に達してから、5営業日が経過している。
急速な元高により、最も影響を受けるのは貿易会社だ。沈報道官は、「人民元相場が近頃高騰しており、輸入貿易の条件改善を促してはいるが、輸出企業の受注および利益に深刻なマイナス影響が生じている」と語った。
沈報道官は、「このマイナス影響は主に三つある。一つ目は、長期的な経営に対する不安から注文があっても受注に踏み切れないという現象だ。二つ目は、輸出の利益が狭められていることだ。中国商務部のサンプリング調査によると、1−4月の契約金額が大きく減少した企業は77.5%に達し、6.6%は正常な契約履行に影響が生じると表明した。また73.4%は、今年通年の輸出による利益が、前年比で横ばいか減少すると予想した。三つ目は、中小企業の輸出への影響だ」と指摘した。