実生活の中で、コンピュータ間のスムーズな連絡は、ネットワークの幅広い応用の基礎となる。未来の量子ネットワークは、色(帯域)の異なる量子点の光量子間の量子もつれを実現することが、重要な問題となってくる。中国科技大学の潘建偉氏、包小輝氏、江暁氏らがこのほど、世界で初めて色の異なる独立した光量子間の量子もつれを実現し、量子ネットワークの異なる帯域を持つ端末間のもつれ連結という難題を解決した。このほど国際的に権威ある物理学速報誌「フィジカル・レビュー・レターズ」が、編集員推薦論文として同成果を掲載した。アメリカ物理学会の「フィジカル・レビュー」も、同成果を特別記事として報じた。光明日報が伝えた。
量子もつれは、量子情報科学の重要な資源だ。これまでの実験ではさまざまな手段によりもつれ光量子を生成できたが、単一の端末から放出される光量子間でしか量子もつれを実現できなかった。しかし量子ネットワークなどでは、異なる端末(量子コンピュータ)の独立した光量子によるもつれにより、各端末間の連結を実現する必要がある。
潘氏の研究チームは今回初めて、時間分解測定と位相配列報告を結び付けることで、異なる帯域を持つ光量子間の量子もつれを実現した。また同チームが近年開発に取り組んでいたナローバンド量子光源プラットフォームを使い、この理論に関する実験・実演を行い、80MHzの差がある二つの独立した光量子をもつれさせることに成功した。この帯域の差は、入射光子のそれぞれの帯域幅の16倍に達する。
この研究成果により、異なる帯域の量子端末間のもつれ連結を可能とし、将来の量子ネットワークのアップグレードの中で重要な作用を発揮できるようになった。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月24日