唐文斌氏は清華大学に在学中、数人の同級生とあるゲームを開発し、これが創業のスタートラインとなった。ゲームが好評を博する中、若き創業チームはこの成果に満足することなく、ゲーム会社から技術会社に変わることを決めた。この企業は先進的な顔認証技術により、中国の起業支援企業「イノベーション工場」(Innovation Works、創新工場)から数百万ドルの資金を獲得した。同社はすでに、大企業向けに技術サービスを提供している。北京日報が伝えた。
「フェイスブックの顔認証精度は97.25%だが、当社の精度は97.27%に達し、フェイスブックをやや上回る」。唐文斌氏、印奇氏、楊沐氏ら数人の若者は、パソコンの画面に表示されたこの結果を目にし、拍手喝采した。世界で最も権威ある顔認証評価システム「LFW」において、同チームの技術力は他国のライバルを圧倒し、世界一に輝いた。この若きチームの創業者3人のうち、最年長者は大学院を卒業したばかりの1987年生まれの若者だ。
◆半年内に3つの世界一
ターゲットを追跡中のエージェントが、人の流れに逆らい歩きながら、コンタクトレンズにより歩行者の顔画面を収集し身分情報を認証する――。これは「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」の名シーンで、最先端の顔認証技術が使用された。
北京曠視科技有限公司の共同創設者である唐氏は、「単なるスパイの任務の一幕に見えるが、その裏側には複雑な技術が隠されている。分かりやすく言えば、これには3つのステップが必要だ。第1ステップは、顔の検査・測定だ。つまりレンズの中で位置を確定し、人の顔の位置を把握する。第2ステップは重要部分の検査・測定で、人の顔の位置の特定後、眉や目、耳や鼻などの重要部分を見つけ出し、さらなる分析の基礎とする。第3ステップはビッグデータに基づく顔認証で、それが誰であるかを明らかにする」と説明した。