「和平竜」。 |
浙江省杭州市にある世界遺産(文化遺産)・西湖は、京劇白蛇伝の白素貞が入水したといわれる白堤、蘇軾の造営によるという蘇堤など、西湖十景と呼ばれる観光資源が豊富だ。その十景の1つである柳浪聞鶯には、1963年に建立された「日中不再戦」と書かれた高さ約2メートルの碑文がある。11日に同碑文を訪れ取材したところ、多くの観光客が記念写真を撮影しており、「歴史を銘記し、平和を大切にしなければならない」と語った。中国新聞網が報じた。
1962年、岐阜市の松尾吾策市長の提案の下、同市長の揮毫「日中不再戦」と杭州市の王子達市長の揮毫「中日両人民世世代代友好下去」の碑文が交換された。後者は、岐阜市にある日中友好庭園に建立されている。
「日中不再戦」の碑文の裏には、中国語で「この碑文が日中両国、特に岐阜市と杭州市の平和で友好的な関係促進に貢献し、共に侵略戦争に反対する助けになることを願う」と刻まれている。
同碑文の前には、1992年に日本の和平竜友好会が日中国交正常化20周年を記念して贈呈した「和平竜」(龍の銅像)があり、「悠久平和」と刻まれている。
西湖の湖濱管理処文化財科のスタッフ章暁群さんによると、管理部門は定期的に専門スタッフが記念碑の手入れをするよう手配しているほか、記念碑の周囲の緑化を進めている。また、周辺に置かれている植木も季節ごとに交換している。
筆者が現場を訪れると、観光客の多くが記念碑の前で足を止めて、記念写真を撮影していた。
同市の市民である張さん(30、男性)は、同公園の近くに住んでおり、週末になると、息子を連れて記念碑の周辺を散歩しているという。
「これは平和の象徴。中日両国がこの精神を発揚することを願っている。中日の友好的な関係は貿易を促進し、私たち一般市民の生活水準向上にもつながる」と張さん。
一方、上海から4歳の娘と共に来たという王さん(女性)も、記念碑の前で記念写真を撮影し、取材に対して、「当時経験した苦難を通して、幸福は簡単に手に入るものではないことを悟らなければならない。歴史を銘記し、平和な暮らしを大切にしなければならない」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年3月12日