東南大学が担当する「第3世代DNAシークエンシング重要技術の研究」が、重大な進展を実現した。ヒトの全DNAシークエンシングがわずか1000ドル・1日で完了できるようになり、潜在的な遺伝子疾患を事前に予測・治療できる可能性が大幅に高まる可能性が出てきた。ラジオ中国之声の「全国新聞聯播」が報じた。
ヒトの遺伝子は30億の塩基対によって構成されており、DNAシークエンシングはナノスケールの穴にこれを通過させる。DNAシークエンシングにより人の健康状況、疾患(特に遺伝子疾患)の発生状況を判断できる。第1・2世代では、化学的な手段が採用されていた。第1世代DNAシークエンシングは、12年の時間と数十億ドルの費用を費やした。第2世代の費用は10万ドル以下まで下り、期間も6カ月に短縮された。2006年に始まった第3世代の研究は、物理的な方法を採用した。
東南大学機械工学院副院長の陳雲飛氏は、「本校の第3世代技術は、機械製造の手段を採用すれば、極小口径の穴を空けられる。これが4種類の塩基対を識別できれば、数十万個・数百万個の穴を小さなシリコンチップ上に空けることが可能だ。こうすることで一つの小さなシリコンチップに、数万もしくは数十万のセンサーを集約できる。これらのセンサーは同時に稼働でき、DNAシーケンシングの速度を早め、コストを大幅に削減する」と説明した。
第3世代技術の研究はすでに画期的な進展を実現しており、人体の全DNAシークエンシングを24時間・1000ドルで実現することを最終目標としている。これが実現されれば、1滴の血液だけで測定が可能になる。
陳氏は、「一般人への普及、患者の個別の状況に基づく医薬品の開発も可能だ」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年5月27日