植物の遺伝子が組み換えられているか否かを判断することは、これまで一般人にとって難題であった。南開大学の最新のマーキング技術により、この難題が解決される可能性がある。植物の色を見るだけで、遺伝子組み換えがされているかを判断できるというのだ。南開大学生命科学学院の王寧寧教授が率いる研究チームがこのほど開発した、遺伝子組み換えを可視化する新型マーキング技術は世界の学界から注目を集めており、国家発明特許を取得した。この新技術が採用した「材料」は、人体にとって有益なアントシアニンだ。北方網が伝えた。
◆マーキング材料、植物の抵抗力を強化
王教授は、「アントシアニンは植物の二次代謝産物だ。アントシアニンの蓄積により、植物の葉や花などが赤・青・紫などの色を呈する。つまり肉眼で植物の具体的な部分の色を観察することで、その作物が遺伝子組み換え作物であるかどうかを判断できる」と指摘した。
王教授は、「アントシアニンは天然の抗酸化剤で、これを適度に蓄積することで植物の成長に適さない自然環境(低温や干ばつなど)への抵抗力を高めることができ、人の健康にとっても有益だ。アントシアニンのこの特性を利用し、遺伝子組み換えのマーキング技術に使うことで、肉眼で判断できるようになり、市民に安心してもらえるようになる」と説明した。
王教授は、「植物にせよ動物にせよ、どのような外見を持つかは遺伝情報、つまり遺伝子によって決められる」と述べた。同研究チームの新型マーキング技術は、融合遺伝子を構築することで、アントシアニンの紫色が示される時間とその場所をコントロールでき、紫色を遺伝子組み換えの目印とすることができる。
同技術はすでに国家発明特許を取得しているが、実用化の段階にはまだ入っていない。しかしこの技術が広く活用されれば、人々が遺伝子組み換え植物を肉眼で識別できるようになるだろう。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年2月25日