「二十四の瞳は、小学校に入学した12人の子どもが大人になるまでの過程を描いている。登場する小学校の教師が、とても印象深かった。読み終わってから、『教師になる』と決めた」と仲田さん。
日本の小学校の校長だった仲田さんは、中国に来て大学講師になり、今の目標は「日本で学んだ教師としての経験を、中国の大学に伝えること」だ。
仲田さんは、中国の教育は、教師が生徒に知識を伝えることに偏っているが、一方の日本は、何かを教えることのほか、学生自身の体験に重きを置いていると指摘し、「両者を折中するのが一番いい!」と、手を合わせながら語った。
「『できた』、『知っている』という喜びを、学生に味わってほしい。学生が、心の底から勉強したいという力を与えることこそが教育の本質。一番大切なのは、『上から下へ』という観念で教えることではない」。
仲田さんの部屋には中国の文化と関係のある人形や彫刻、書道、水墨画などがいっぱいに並んでいる。
仲田さんは中国語は話せないものの、中国に強い関心を抱き、熱い思いを抱いているため、交流の際言語の壁を感じさせない。
「日本の本を読んで、日本の文化や政治、宗教などはどれも、中国から伝わったものであることを知った。中国は日本の父、母のようなもの。両国には共通点がたくさんある」と仲田さん。「両親のような中国とはどのような国なのか」という好奇心から、中国の土を初めて踏んだ。