このほど北京で開かれた中国工程院第12回院士大会において、中国工程院院士、有人潜水艇「蛟竜号」総設計者の徐芑南氏は、「今月末、蛟竜号が太平洋に向け出発する」と表明した。中国科学報が伝えた。
徐氏は、「昨年の初の試験的応用航行に続き、蛟竜号は今年も試験的応用航行を実施する。第1航行段階は6月末の出発を予定しており、太平洋北西部の中国のコバルト・リッチ・クラスト資源探査契約区で40日に渡る探査を実施する。11月下旬にはインド洋南西部に向かい、中国の別の海底資源探査契約区で2つの航行段階を実施し、120日に渡る海底熱水鉱床の探査を実施する。2つの航行段階で10−15人の科学者が蛟竜号に乗船し深海に潜り、鉱物資源および海洋生物の調査研究を実施する」と説明した。
徐氏は、新型母船の建造がまだ開始されていないことから、「蛟竜号の今回の母船は『向陽紅09』のままとなる」と語った。国家深海基地管理センターが明らかにした情報によると、蛟竜号の新型母船はフィージビリティスタディの論証段階に入っている。
徐氏によると、海洋の天宮1号(宇宙ステーション実験機)と呼ばれる深海移動作業ステーションも、計画に基づき開発が進められている。深海移動作業ステーションは、主に海洋科学探査に使用される。中国の深海宇宙ステーションの「3ステップ」計画によると、1歩目となる小型深海宇宙ステーションの実験機の開発がすでに完了している。2歩目となる小型深海移動作業ステーションの開発は進行中で、2015年までの完了を予定している。3歩目となる水中で60日間滞在できる未来型の深海宇宙ステーションについては、現在も理論の研究段階にある。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月17日