中国有人宇宙プロジェクト事務所は昨日、宇宙ステーション実験機「天宮1号」のデータ利用促進に関する方針を発表した。天宮1号のデータが開放されるのは、これが初めてのことだ。興味のあるユーザーは、データ利用促進サービスプラットフォームにアクセスし、関連政策およびデータ取得の流れを理解することができる。北京日報が伝えた。
天宮1号は中国初のドッキング目標機として、2011年9月29日に発射されてから、ドッキング作業および一連の重大科学試験を実施した。現時点ですでに880日以上にわたり運行しており、正常な状態と安定運行を維持しており、利用および試験を継続することになる。
天宮1号のデータを国民経済の建設と科学研究に役立てるため、中国有人宇宙プロジェクト事務所は中国科学院宇宙応用工学・技術センターに同データの処理と配布を依頼した。国内の公益目的ユーザーに1・2級データが提供され、社会の公益事業に積極的に貢献することになる。また中国科学院リモートセンシング・デジタル地球研究所、中国科学院電子学研究所、中国資源衛星応用センターが、同データの初の指定商業代理機関となり、国内外の商業目的ユーザーに有償でサービスを提供する。
中国有人宇宙プロジェクトの公式サイトは、天宮1号宇宙データ利用促進サービスプラットフォーム(http://www.msadc.cn)を開設し、国内の公益目的ユーザー、国内外の商業目的ユーザー、一般人に向け、天宮1号のデータおよびサービスを提供している。
同プラットフォームにアクセスすると、香港ランタオ島の短波赤外線ハイパースペクトル画像、敦煌市周辺の短波赤外線ハイパースペクトル画像、新疆維吾爾(ウイグル)自治区天山山脈の一部のハイパースペクトル画像を閲覧することができる。見渡す限りの砂漠とオアシス、雄壮な天山山脈、うねうねと曲がる黄河には、驚嘆を禁じ得ない。また同プラットフォームには、天宮1号のデータを利用した石油・ガス資源調査、鉱物分布調査、海氷モニタリング、緊急災害モニタリングなどの典型的な事例の紹介と分析がある。公益目的ユーザーと指定代理機関がデータを獲得するための申請表もダウンロードできる。
専門家は、「天宮1号のデータが全面的に開放されたが、これは中国有人宇宙プロジェクトの『社会と国民生活に貢献する』という理念を示しており、中国有人宇宙プロジェクトの応用の効果を高めることができる」と指摘した。
天宮1号に搭載されているハイパースペクトルイメージャーは、空間分解能およびスペクトル総合指標が中国で最も優れている機器だ。その空間分解能、波長帯域、バンド数などは世界の同類製品の水準に達している。現在までに中国国土資源部(省)航空物探リモートセンシングセンター、中国地震局地殻応力研究所、中国国家海洋局国家衛星海洋応用センター、香港理工大学などの中国大陸部および香港などの10以上の研究機関と大学の公益目的ユーザーに対して、5TB(1TB=1024GB)のデータ製品と関連サービスを提供しており、資源調査、国土資源、海洋、林業、農業、環境モニタリングなどのさまざまな分野に幅広く活用されている。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月5日