W杯に優勝したドイツの秘密兵器となったのは、ピッチでの駆け引きに密かに影響を及ぼしているビッグデータだ。ビッグデータは、ドイツのW杯における「12人目」の選手と言われている。新華社が伝えた。
W杯の開幕前、ドイツサッカー協会はソフトウェア企業のSAP社と提携し、サッカー向けソリューション「SAP Match Insights」を開発した。同ソリューションは選手とチームの技術データを迅速に収集・処理・分析し、「数値と事実」に基づきフォーメーションを調整し、チームの作戦能力を引き上げる。さらに相手チームの技術データを分析することで、試合の勝利法を導き出した。
同ソリューションはカメラやセンサーなどのツールを使い選手の走る速度、ポジション、ボール支配時間、守備範囲、細かい動作などの大量のデータを獲得し、これをデータベースに入力し分析・処理を行う。SAPによると、10人の選手が3つのボールを使い10分間練習するだけで、分析に用いられる700万以上のデータが発生する。同ソリューションは、これらのデータをリアルタイムで処理する。
これを使うことで、ドイツの監督・コーチは試合状況、選手個人の特長やパフォーマンス、選手の守備範囲、相手チームの隙などに関する情報を迅速に把握できる。監督はこれらの情報により、選手の交替時間、ポジション、戦術などの調整を行い、チームの能力を引き出すことが可能だ。ドイツ代表チームマネージャーのビアホフ氏はメディアに対して、「各チームは競争に勝利する革新的な方法を模索している。ドイツサッカー協会は代表が実力を引き出すため、最良の技術を提供するよう約束した。SAPはこの需要を満たした」と説明した。