海南国際リゾートアイランドが有名になったことから、山東長島、浙江舟山、広西潿洲島、河北唐家湾も軒並み、国際観光地の建設を目指している。観光客獲得競争において、差別化戦略は避けられない。
リゾートアイランド構想を発表した当初、長島は明確な位置付けを持っていた。熱帯性海洋気候と豊富な観光資源を備えた海南に対して、長島の優位性は「夏の避暑」にある。「冬は暖かな海南に行き、夏は涼しい長島で過ごす」は、長島が国内外の観光客に最もアピールしたいセールスポイントだ。
海南は休日をゆっくりと過ごす観光客を主なターゲットとしているが、長島は今のところ、短期の観光客が主要な客層となっており、観光客の消費額は、一日平均300元(約4900円)前後と、中・低価格帯に属する。長島県党委員会の張延廷書記は、「安く気軽に行ける観光地、さらに夏は涼しいというメリットを活かし、長島は今後、療養目的で訪れる中高齢層の観光客の誘致に力を入れる。また、より多くの海外からの高級観光客も誘致するため、『高級クラブ』などの設立も計画に組み入れており、長島の観光業が、段階的によりハイレベルに向かうよう推進していく」と述べた。
広西チワン族自治区潿洲島は、国内で2番目に国際高級リゾートアイランドとしての位置付けが明確になった島で、海食、海積、溶岩など特色ある火山景観を擁している。また、カトリック教会、聖母堂、三婆廟などの各種文化が一体化した豊かな観光資源でも有名で、大型生態リゾートアイランド公園の建設という発展方向を備えている。このほか、河北省唐山湾菩提島は、多くの野生動物が生息していることで有名で、特に鳥類は400種を上回り、このうち国家1級、2級保護鳥類が68種。「国際鳥類観賞基地」と称えられる同島は、国際的な鳥類観察イベントを企画、開催することで、海外観光客の誘致を図っている。
海南現代管理研究院の王毅武院長は、「各地が備えた生態環境上の優位性を活かし、国際的視野に立脚することは、国際観光アイランド発展における出発点となる」と結論づけた。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年7月23日