中国慰安婦問題研究センターのセンター長を務める上海師範大学人文伝播学院の蘇智良院長は上海で11日、「我々が21年間にわたり調査した結果、旧日本軍が上海に設置した慰安所は160カ所を上回ることが判明した。上海は、旧日本軍の『慰安婦』制度が最も完備されていた都市と言えよう」と話した。中国新聞社が伝えた。
上海市政治協商会議の主催による「八・一三淞滬抗戦(第二次上海事変)77周年記念座談会」が11日、上海で開催され、蘇智良院長は、「慰安婦」制度と上海との深い関係性という点から、旧日本軍の「性奴隷制」という重罪について論じた。
世界的に有名な専門家である蘇院長は、旧日本軍の慰安所が世界で初めて設置された都市は上海だったとの認識を持っている。旧日本海軍陸戦隊司令部は1932年1月、「大一沙龍(サロン)」や小松亭など虹口にあった日本の風俗店4軒を、海軍の特別慰安所に指定した。その後すぐに「一・二八事変(第一次上海事変)」が勃発、旧日本軍上海派遣軍の岡村寧次副参謀長は、海軍のやり方をまねて、関西地方から女性を募集して初の陸軍「慰安婦団」を設立、呉淞や宝山などの前線の陣地に次々と慰安所を開設した。この時の「慰安婦団」は、日本陸軍が初めて「慰安婦」制度を導入、構成した組織で、その後の旧日本軍全体の「慰安婦」制度の見本となった。中国東北部を占領した旧日本軍は、東北の各地にも慰安所を続々と設立した。
蘇院長は、「日本軍国主義は、中国に侵略する過程で、軍隊の性奴隷制である悪名高き『慰安婦』制度を作り上げた。しかも、非人道的なこの戦争犯罪は、上海という土地と密接な関係がある。1937年に日本の中国侵略戦争が全面的に始まった後、『慰安婦』制度も急速に普及、上海には旧日本軍のための『合法強姦センター』が続々と誕生した」と指摘した。