「1966年、僕は学生寮で一つのテレビに釘付けになっていました。人が懸命に生きるということ、なぜ生きなければならないかということ、こうした台詞が速射砲のように繰り出されるドラマに胸を締め付けられる感動を覚えました」。それから48年が経った現在、このドラマ「若者たち」に感動し、「北の国から」シリーズの演出を務めた杉田成道は、「見えない明日への不安」が蔓延する現代も青春は変わらないと語る。「若さとは、不安と矛盾でのたうち回り、理想と現実の狭間に苦しみ、恋愛に未来を想い、人生に意味を見つけようと苦闘する姿であります。それは、誰もが通る道であり、そこには『光』がなければなりません」。人民網が伝えた。
杉田成道がフジテレビとドラマ「若者たち2014」を撮ることにしたのは、日本の若い世代の青春の苦痛と希望とを表現するためだった。48年前のドラマ「若者たち」は、5人の兄妹がたくましく生きる姿を通じて、戦後日本の社会の姿を描き出した。シーンを現代の東京へと移した「若者たち2014」も、若者の日常を通じて時代を描き出している。主人公である佐藤家の5兄妹は、旧作と同様に両親を亡くしたという設定。長男旭(妻夫木聡)と次男暁(瑛太)、長女ひかり(満島ひかり)、三男陽(柄本佑)、四男旦(野村周平)のそれぞれが、青春の日々の中で様々な感情に揺れ動く様を描く。貧困や就職、家庭、友情、恋愛、結婚などの悩みに直面した若者たちが、ある時は激しく口論し、ある時は殴り合いの喧嘩もし、迷いながらも明日への歩みを踏んでいく。ドラマはこの5人とその周囲の人々をめぐる青春群像劇であり、アイドルが出演するだけが売りのドラマとはまったく異なる。
ドラマは第一話から強烈だ。兄妹4人が食卓を囲んで機関銃のように言い争う。それぞれが遭遇している問題が次々に明らかとなる。「できちゃった婚」をバカにしていた旭は、ガールフレンドが妊娠したことを知らされ、さらにキャバクラで働いていることも知ってしまう。なかなか結婚しないひかりは、医師の新城と不倫をしている。陽はまじめな仕事に就こうとせず、自分の「理想」を求めて劇団に入り浸る。旦は授業を放ったらかしでクラスメートに片思いし、「童貞を捨てた」と喜んでいる。刑務所から出所したばかりの暁を合わせると、佐藤家はまさに問題だらけの家庭であることがわかる。