李宗恵氏は自宅で定期的に日本文化展を催し、日本で苦心して探し集めた葉書やテレホンカード、浮世絵などを、季節ごとに内容を変えて展示している。日本での授業時、李宗恵氏は学生に儒学について紹介し、日本による中国侵略戦争や釣魚島(日本名・尖閣諸島)の問題について討論し、中国側の立場を詳しく述べた。
「過去を追想することは、憎しみを忘れないためではなく、反省するため」。新潟で日本人学生と抗日戦争について語り合った時のことについて、李宗恵氏は「彼らは恥じ入っていた。中国に対して申し訳ないと感じていた」と語る。
李宗恵氏はさらに、「中国人の我々も過去を総括し、教訓を汲み取る必要がある。国の富強と自立こそが根本。日本人は後進国を軽視するが、向上心の無い国はもっと軽視する」、「中日の付き合いの難点は、文化面の障害であり、言語面の障害ではない。戦争や歴史問題について、多くの日本人は戦争が中国にもたらした苦しみを全面的に体感することができない。彼らは自分達も戦争の被害者だと考えている。確かに彼らも軍国主義の犠牲者と言える。我々は軍国主義と日本国民の違いをうやむやにしてはならない」と続けた。
李宗恵氏は、「歴史を鑑とし、時代とともに変わる」ことが、過去に対する最も正しい態度だと主張する。「我々はもう70年前の見方で日本を見ることはできない。逆に、70年前の見方で中国を見られたら、我々も反感を覚えるだろう。時代と共に変わることは、世界のどの国との交流においても通じる道理」。
李宗恵氏は今も毎年のように日本を訪れ、古い友人を訪ね、大学で学生のために講演を行い、文化交流を行い、両国の理解増進のため力を尽くしている。「1つの国を理解するには文化から始めなければならない。両国間に頻繁な交流があってこそ、互いを深く理解し、誤解と隔たりを減らし、より良い協力と発展を実現することができる」。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年9月3日