中国は現在、東欧・アジア・アメリカ大陸の高速鉄道市場で収穫を手にしている。日本は中国の全面的な展開を羨んでおり、これに追いつこうとしている。日本はかつて、高速鉄道技術の輸出に熱心ではなかった。日本が世界鉄道市場に占めるシェアは、現在10%となっている。
中国の首脳は昨年より、世界との経済・貿易の交流において、中国の高速鉄道技術を積極的にPRしている。特にシルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロードの大構想において、中国の高速鉄道は世界との経済・貿易協力における「切り札」として世界に示されている。李克強総理は2013年より、イギリス、ルーマニア、タイ、エチオピアなどを訪問した際に、高速鉄道プロジェクトに何度も言及した。李総理の「中国製高速鉄道のセールスマン」という称号が、あっという間に広まった。中国の高速鉄道の海外進出が加速を続けている。
中国とタイは2013年10月、「コメと高速鉄道を交換」と称される協力覚書に調印した。中国とルーマニアは2013年11月、高速鉄道建設の協力を宣言した。中国はハンガリーとセルビアの首都を結ぶ高速鉄道プロジェクトに参与することになった。
中国南車と欧州のマケドニアは6月24日、6編成の高速列車の売買契約に調印した。中国の高速鉄道が、初めて欧州に輸出された。トルコの首都アンカラと最大の都市イスタンブールを結ぶ高速鉄道2期プロジェクトが開通した。これは中国が海外で建設に参与した、1本目の高速鉄道だ。また中国の列車製造メーカーと土木工学企業は、南米、サウジアラビア、ロシアなどで高速鉄道プロジェクトに参与し、入札参加を計画している。
最新の統計データによると、中国北車と中国南車の今年上半期の輸出契約額は、45億ドル以上にのぼった。中投顧問交通業界研究員の蔡建明氏は、「中国の高速鉄道の海外進出は、高速鉄道の関連メーカーに大きな発展のチャンスをもたらしている。これは数字によって示されており、関連技術の成熟も海外進出の重要な要素になっている」と分析した。
中国北車の海外市場担当者は、「海外の鉄道建設市場、車両更新市場、メンテナンスサービス市場に、大きな成長の空間が残されている。そのうち南米、中欧・東欧、ロシア語圏のレール交通設備が車両更新のピーク期に入っており、巨大な潜在力を秘めている。アフリカでは機関車、貨物列車、普通列車の需要が拡大している。この市場はスタート点が低く、上昇の大きな空間が残されている」と指摘した。
蔡氏は、「高速鉄道産業が巨大な市場の価値を秘めているため、技術開発、設備製造、プロジェクトの計画、システムの調整、アフターサービス等に多くの企業が集まっている。インド市場を順調に開拓できれば、中国の設備製造業は新たな爆発的な成長を迎えるだろう」と予想した。
日本は2007年に台湾に新幹線を輸出したほか、輸出の経験はほとんどないに等しい。シンガポール東南アジア研究所ASEAN研究センターの上席研究員は、「新幹線は近年、高コストなどの原因により、輸出で大きな成功を手にしていない。中国の高速鉄道技術は新幹線と比べて実益が多く、コストパフォーマンスも高い」と述べた。
日本は新幹線技術の輸出で大きな収穫を手にしておらず、2007年に開通した台湾の高速鉄道への輸出のみとなっている。競争力を高めるため、日本メーカーは提供可能なサービスのPRに取り組んでいる。これには鉄道運行の支援、メンテナンス、日常的な点検などが含まれる。
「チャイナネット」 2014年10月8日