インド紙「ザ・タイム・オブ・インディア」は23日、「中国と日本がこれから高速鉄道の受注をめぐって激しい競争を展開することは確実だ」との見方を示した。インドメディアにこのように予測させたのは、日本の太田昭宏国土交通相のインド訪問とインドへの新幹線売り込みのニュースだ。日本の共同通信社によると、日本側はできるだけ早くインド西部のアーメダバード-ムンバイ間の高速鉄道を受注したい考えだ。だが周知の通り、中印はかなり以前に鉄道協力の覚書と行動計画に調印している。「法制晩報」が伝えた。
アジア諸国での高速鉄道プロジェクトをめぐる競争で、中国と日本はどちらがより多くの強みを備えているだろうか。この問いに対し、シンガポールの有名シンクタンク・東南アジア研究所副総幹事の黄基明博士と同研究所東南アジア諸国連合(ASEAN)研究センターシニア研究員のタームサック・チャラーンパラヌパップ博士はどちらも、日本に比べて中国の高速鉄道の方が多くの面で強みがあり、中国に勝算があるとの見方を示す。
▽競争・強み 「地の利」で中国の高速鉄道により魅力
--日本の新幹線と比較して、中国の高速鉄道にはどのような競争上の強みがあるか。
黄博士:高速鉄道プロジェクトの置かれている地理的な位置づけが中国にとってより有利に働く。中国はアジアのいくつかの国々と長く国境を接しており、これはつまり中国とこれらの国々には隣国同士に関連することが多くあり、プロジェクトなどを通じていろいろな問題が一気に解決できる可能性があることを意味する。アジア諸国にとっては非常に魅力的な話だ。
また中国は日本には出来ないメリットを提供できる。たとえばアジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じて資金調達の便宜を提供することができる、ASEANをはじめとするアジア諸国に十分な利益を上げられるプロジェクトや工事を提供できる、などだ。
タームサック博士:中国には目立った強みがあるといえる。日本では無理だが、中国であれば東南アジア諸国から「物々交換」によって高速鉄道の建設費用を受け取ることができる。また東南アジア諸国との交通の連携を強化する上で、中国には独自の戦略がある。中国は将来、高速鉄道プロジェクトをめぐって低コストの貸出という便宜を提供することも可能だ。
▽価格・比較 中国がよりお値打ち、日本の利益度外視の落札はあり得ない
--グローバル研究報告によると、海外での高速鉄道建設費用のコストは1キロメートルあたり0.5億ドル(約54億円)だが、中国なら0.33億ドル(約36億円)で済む。中日の高速鉄道は価格の面でどのような違いがあるか。