中国人科学者は20日、人の神経幹細胞をパーキンソン病のラットの脳の線条体に移植し、症状をやわらげることに成功したと発表した。しかしこの技術を人に応用できるかについては、さらなる論証が必要だ。新華網が伝えた。
同成果は最新の「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。北京大学分子医学研究所の周専教授は、「幹細胞移植によりラットの運動機能の障害をやわらげた。これはラットの脳の線条体に、ドーパミンと呼ばれる神経伝達物質を送れるからだ。脳の線条体におけるドーパミンの減少は、パーキンソン病の典型的な特徴だ」と指摘した。
この技術の実用化はいつになるだろうか?周教授は、「これは動物を利用したメカニズムの初歩的な実験であり、より多くの動物実験、人体実験を踏まえた上で論証を進めなければならない。また免疫拒絶という問題を解消しなければならない。実験では毎日、ラットに免疫抑制剤を注射しなければならない。患者自身のiPS細胞を使用することで、副作用の問題を解消できるかもしれない。しかしこれにはさらなる実験と論証が必要だ」と述べた。
パーキンソン病は中高齢者が発症しやすい、慢性的な神経変性疾患で、運動緩慢、筋固縮、安静時振戦、姿勢不安定を症状とする。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月22日