日本の衆院選は15日未明、全475議席が確定した。自民・公明の与党は定数の3分の2を上回る計325議席を獲得、解散前(324議席)とほぼ同じ水準を保ち、絶対的な優位性を改めて見せ付けた。安倍氏はこれで、野党の力を徹底的に削ぎ、政策推進の障害を取り払ったことになる。選挙に勝利した安倍氏は、何が可能になったのだろう?そしてそのことは日本にとって吉と出るのか、凶と出るのか?人民日報海外版が伝えた。
▽長期政権が可能に
安倍氏の突然の解散表明は、タイミングを見計らったものだ。読売新聞の会長兼主筆は早くも11月9日にある席で「いま、解散のチャンスなんじゃないか。これから先、安倍政権もいいことはあまりない。いまなら勝てる。いまのうち解散だよ」と言っていたという。
12月14日に総選挙を行うことが突然発表されると、ライバルの野党は対応に追われた。民主党と維新の党は候補者集めもままならず、大急ぎで選挙態勢を整えたが、結果は想像に難くない。最終的な選挙結果はメディアの予想通りで、海江田万里民主党代表までが落選という結果に終わった。
安倍氏の策略は効果的だった。安倍氏は党内で最も権力と勢力を有する人物になり、自民党は絶対安定多数の266議席以上を単独で占めた。これからは、自民党の決定が日本政府の決定となり、野党に邪魔されることはない。安倍氏も予定通り首相となり、2015年9月までだった任期は2018年まで延びた。
▽憲法改正も可能か
安倍氏は国民にアベノミクス継続の信を問うため総選挙を行うとしていたが、本当にそれが目的なのだろうか?実は、安倍氏がアベノミクスを打ち出した目的こそ、長期政権を目指すためであり、毎年のように首相が代わる現状を終わらせるためだった。
アベノミクスはある意味、すでに「死んでいる」。「3本の矢」は顕著な効果を生むことができず、予想外にもGDPまで減少した。日本経済には明らかに衰退しつつあり、国内外から批判と疑問の声が上がっている。
実は、安倍氏の真の目的は、祖父・故岸信介元首相の「悲願」――憲法を改正し、日本を「正常な国」にする――を実現することなのだ。