著名学者胡鞍鋼氏が訪日　各界と幅広く交流 (2)

中国では今、習近平国家主席のもと、持続可能なくにづくりを目指す「緑色発展」に力を入れており、胡氏は習近平政権の政策ブレーンとして、この緑色発展を牽引している。

「緑色現代化巨大都市 北京」と題した講演で胡氏は、中国の緑色発展について「それは、従来の経済・政治・文化・社会に、生態系の保護を加えた、五位一体で取り組まれている」などと紹介。その上で「首都北京でも、国の動きに歩調を合わせて、緑色現代化都市の構築が進んでいる」として、緑化や大気汚染の改善を目指した北京の環境対策などを解説し、出席者たちの高い関心を集めた。

翌16日午前、胡氏は東京・永田町の衆議院第一議員会館で、中国の環境政策などに関心を持つ国会議員らと交流。近藤昭一・元環境大臣は『中国のグリーン・ニューディール』における胡氏の鋭い分析に、関心を寄せていた。

同日午後は、都内で開かれた日本華人教授会議主催の「2015年新春中国経済セミナー」に出席し、「2015年の中国経済と未来の展望」をテーマに講演。

昨年末に北京で開かれた中国共産党・政府の重要会議「中央経済工作会議」を踏まえ、2015年の中国経済を展望したほか、これからの長期発展戦略に関する習近平指導部の方針についても紹介し、会場の注目を集めた。

十数年前に胡氏を取材した経験があるという伊集院敦氏（元「日経新聞」中国総局長）は、「エネルギッシュな胡鞍鋼節は今も健在だ」と語り、中国の政策ブレーンの力強さに感心していた。

胡氏は、短期間ではあったものの有意義な交流を繰り広げた今回の訪日について「『中国のグリーン・ニューディール』のお陰だ」と繰り返し謝意を示し、2016年に創立20周年を迎える日本僑報社に対し、「Bridge 中日之橋――祝賀日本僑報創立二十周年」などとするサイン入り色紙を進呈した。

｢チャイナネット｣ 2015年1月27日