3D印刷技術が心臓病の治療に活用される機会が増えている。上海市の数軒の病院が昨年、同技術を左心耳閉鎖術に活用したことに続き、北京阜外病院が先天性心疾患のその他の治療への活用に成功した。科技日報が伝えた。
同病院の放射線科の鄭宏教授が率いる手術チームは、「下腔心房中隔欠損症」の患者の閉鎖術に成功し、介入性の治療を行えないというタブーを解消した。これにより多くの先天性心疾患の患者が、開胸の苦しみを受けずに済むようになった。鄭教授の「秘密兵器」は、3D印刷技術だ。
3D印刷技術は数年前から医療機器分野に活用されている。3Dプリンターは人工器官を作成し、立体模型を造形することが可能だ。医師はこれによって、複雑な手術の判断を行い、実際に手術をする。患者の心臓手術は非常に複雑で、医師は需要に応じ適切な医療機器を準備する必要がある。手術前に患者の心臓模型を作成することで、医師は手術に使用する動脈管開存症(PDA)の閉鎖装置をより正確に判断・検討・選択できるようになる。これによって治療の成功率が高まり、多くの不可能であった手術が可能になった。
3D印刷技術は主に心臓病に活用されており、構造的心疾患、特に複雑な先天性心疾患の診断と治療の大きな力になっている。3D印刷技術により、多くの疾患(特に構造的心疾患)の個別化された治療、すなわち「オーダーメイド」の時代が到来している。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年2月6日