王新民さんは四川省重慶市で小麺(重慶の軽食の一種)店を営んで十数年となる。王さんは、自分が作る小麺が「国際化」を迎える日が来るなんて想像もしていなかった。数年前、王さんが経営する四川外国語大学付近にある「王老頭小麺」が、重慶小麺店ベスト10に選ばれた。このため、名声を聞きつけた人々が王さんのもとに次々と弟子入りを志願してやってきた。ところが王さんが想像していなかったのは、最近日本人2人が弟子入りを志望してやってきたことだ。そこで、王さんはこの日本人に手とり足とり麺の作り方を教えることにした。「作り方を教えるときには、通訳もついている。私も、国際化したものだ」と王さんは語る。重慶晨報が伝えた。
重慶小麺を学ぶ渡部夫婦 師匠の王さんに献茶を行う
■神秘的な小麺 師匠に献茶を行う日本人の弟子
4カ月前に中国に来たばかりの渡部夫婦は9日、師匠から正式な弟子と認められるための中国の伝統的な儀式「拝師茶」に基づき、王さんに献茶を行った。王さんは、新しい2人の弟子のために、四川外国語大学4年生の王暁月さんを呼んで通訳をさせた。渡部夫婦は王師匠の前に立ち、深いお辞儀をし、両手でお茶を持って王師匠の前に差し出した。「好し、好し!」。王さんは、順番にお茶を受け取ってそれを一口で飲み干し、大きくうなずいた。
師匠への献茶を終えると、夫婦は王さんについて厨房に入った。厨房の台の上には、ラード、ラー油、もやし、ザーサイ、花椒、ごま油など、サイズがバラバラの碗の中に盛られた十数種類の調味料が並べられている。王さんは夫婦にそれぞれの調味料について説明し、夫婦は真剣な様子で師匠の手元にある碗を見つめていた。その目は、好奇心に満ちていた。
その後、王師匠は夫婦に小麺を渡した。二人が小麺を食べる様子を見つめながら、澄んだスープと赤い激辛スープの作り方の違いを説明した。王さんの解説を、通訳を介しながら聞く夫婦はやはり真剣な様子だった。