20日、中国人観光客が購入した商品を社内に運び入れるバスの運転手
■日本の受け入れ能力不足 旅行社は、一部の観光客の受け入れをあきらめざるを得ない
東京は訪日中国人観光客が集中する地域の一つに過ぎず、大阪や京都などでも春節期間に多くの中国人観光客が訪れた。日本中国旅行株式会社の馬暁平社長は、インタビューに応え、「中国人観光客の日本旅行の主なルートは、『大阪に入って東京から出る』か『東京に入って、大阪から出る』というものだ。つまり、東京、名古屋、大阪、京都などの日本の主要都市がメインとなっている。今年の春節期間の主要なルートも従来のルートを踏襲したものとなっている。しかし、同時に、その前後に北海道でスキーや温泉を楽しんだり、沖縄や九州、四国などの地方で民俗や風習に触れたりするようなツアー内容や個人旅行者も少なくない」と説明した。
2014年に日本を訪れた中国人観光客は、前年比86%の大幅増加となり、1年で242万人に達した。馬氏は、「今年の春節期間に日本を訪れた中国人観光客は過去最高となり、2015年に日本を訪れる中国人観光客は320万人に達する見込みだ。中国は、今年初めて最大の訪日観光客供給源となるだろう」と語った。
訪日中国人観光客増加の要因に対して、馬氏は、中国人の収入の増加や円安、訪日観光ビザの発給条件の緩和などの経済政策の要因のほかに、中日両国の距離が比較的近いこと、文化が似通っていること、日本の旅行の質が比較的高いことなどが中国人観光客を惹きつける要因となっていると考えている。馬氏は、「日本旅行の反応を見ると、大部分の中国人観光客は、日本の環境や交通、サービス、社会の秩序などに対し満足している」と語る。
一方、訪日観光客が増加し続けるのに対し、日本の旅行業の受け入れ能力も上昇し続けることが期待されている。日本のホテル、車両、現地ガイドが全面的に不足していた今年の春節期間の状 況を見て馬氏は、「これは、日本における外国人観光客の受け入れ能力不足を示している」と語る。このため、旅行社は一部の観光客の受け入れをあきらめざるを得なかった。