トヨタ自動車は4日、今年4月1日に新たな人事異動を行い、これには中国法人の上層部の3人が含まれることを明らかにした。業界関係者によると、フォルクスワーゲン(VW)の世界販売台数が徐々に接近する中、トヨタは人事異動を通じて中国市場を強化しようとしているのだという。「北京商報」が伝えた。
今回の人事異動では、現在の専務でトヨタ中国の取締役社長の大西弘致氏をトヨタ中国の董事長(会長)に任命し、現職の佐々木昭董事長は続投せず、中国事務所に総代表として留任することになる。
日本の統計規則では、毎年4月から翌年の3月までの会計年度が終了する前に、管理職の調整を行うのが一般的だ。そこで今回の人事異動はトヨタの世界規模での管理職の調整となる。業界関係者によると、人事異動の後、トヨタ本部の専務2人と常務3人が中国での業務を担当することになり、中国法人の管理職の本部における発言権が強まることは確実だという。
現在、中国市場はトヨタのグローバル戦略の重要な一環だ。トヨタは昨年、販売台数で世界一の座を維持したが、2位のVWが猛烈に追い上げており、その差は10万台以下まで縮まっている。13年のトヨタの世界販売台数は998万台、VWは973万1千台で、両者の差は24万9千台だった。12年はトヨタが974万8千台、VWが927万6千台で、差は46万8千台。中国市場での販売数が差を縮小させた誘因になっただけでなく、今年の自動車販売台数トップの座を明け渡すかどうかの重要な要因にもなっている。
統計によると、昨年のトヨタグループの世界販売台数は、参加のダイハツ工業や日野自動車も含めて1023万台に上り、このうち中国市場が103万2400台で10.09%を占めた。一方、VWの中国販売台数は368万台で、世界販売台数1014万台のうち、約40%を占めた。トヨタの計画によると、今後は中国での販売台数の割合を20%ほどに引き上げる予定で、今回のトヨタの世界業務における中国管理職の職務の強化は、中国市場での販売数を伸ばそうという意欲の現れとなっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月5日